演題番号4

最新(&安価)カラーインクジェットプリンタ出力は皮膚科ポスター展示用写真出力に使えるか

沼原利彦,沼原紀予(香川医大 皮膚科学)

 ここ数年のパソコンの凄まじい高性能化・低価格化により,数十MBのファイルサイズを持つような精彩カラー写真の画像処理までも,卓上のパソコンで手軽に行えるようになっている.演者は,パソコンによる画像処理技術の臨床・研究・教育面での活用について,ここ5年間様々な場面で報告してきた(1997年日皮会誌107巻13号1808-1810頁参照).この間,不満であったのが,作成した高精彩デジタルカラー画像の紙上への出力であった.臨床画像や組織画像を出力するには,安価なカラーインクジェットプリンタでは解像度も色の精彩さも写真レベルには遠く,銀塩写真なみの出力を得るには百万円以上はする昇華型プリンタや写真焼きつけ型の出力機に頼ることになり個人や一教室での設置は難しく,結局はフィルムレコーダーでフィルムに撮影しての現像プリントを依頼するのが現状であった.しかし,最近,カラーインクジェットプリンタ技術も躍進している.1997年初夏,この分野では最先端の技術を持つEPSON製のPM-700C(標準価格59800円,6色インク採用,解像度720dpi×720dpi,A4サイズまで対応:現在は1440dpi×720dpiの後継機PM-750Cが同額で既売)を個人的に導入した.専用の光沢紙を使用すると印刷結果は銀塩写真と見まがう品位があり,現在までに数百枚出力した結果では,インクと専用紙を含めた出力コストもハガキサイズで1枚30円程度,A4サイズで100円程度であった.教室としても1998年始めから,皮膚科外来に臨床写真・組織写真入出力用に,パソコン(Apple,PowerMacitosh8600/250),デジタルカメラ(Olympus, CAMEDIA C-1400L),スライドスキャナ(Nikon, LS-1000),カラーインクジェットプリンタPM-2000C(EPSON,標準価格99800円,6色インク採用,解像度1440dpi×720dpi,A3サイズまで対応)を新たに設置する.この使用経験も加え,最新(&安価)カラーインクジェットプリンタの出力結果が,皮膚科ポスター展示用の臨床写真や組織写真として使える品位にまで達しているかどうか皆様と検討したい.

※この演題は学術展示コーナーに掲示しています