御挨拶

第97回日本皮膚科学会総会を開催するに当たって

会頭 吉川邦彦

第97回日本皮膚科学会総会は平成10年5月29日から31日までの3日間、大阪中之島のリーガロイヤルホテルにおいて開催の予定です。例年4月に開催されるこの学会を5月末に持ってきた理由は、5月始めに国際研究皮膚科学会がドイツのケルンで開催されるためです。日本皮膚科学会総会は我が国皮膚科学界における最大のイベントであり、内容も第1線の基礎的研究から地域医療まで極めて幅広く多岐にわたります。その為、バランスの取れた内容豊富な学会を目指し、鋭意準備を進めているところです。
 我が国の医学、医療は21世紀を間近に控え、変革の大きな波に直面しております。大学にあっては拡大する境界領域や先端部門への対応、効率的かつ効果的な卒前・卒後教育の提供であり、診療現場にあっては厳しい医療財政状況が求める効率的な医療供給の問題であります。この様な状況下で総会を開催するに当たり、従来の研究、診療に加え、社会性を持ったテーマの多くしたのが今学会の特徴です。教育に関しても今回は新しい試みとして早朝セミナーを設けました。卒前教育に関しては新しい試みの実例を、卒後教育に関しては皮膚科専門医の目標につきお話しいただきます。教育施設に勤務して居られる先生方とこの問題を考えてみたいと思います。これらを通して医学,医療を取り巻く環境の変化に対する皮膚科としての対応と今後の展望を、参加者の皆さんと共に考えて見たいと思い、今学会の一つの柱としました。勿論、従来通り研究、臨床も大切に致します。皮膚科の基礎となる免疫学や分子・細胞生物学、臨床医学の著しい進歩を効率良く提供するため、多くの特別講演、招待講演、教育講演、シンポジウム、ワークショップ、カンファレンスを計画しております。さらに1時間単位の教育コ−スを会期中2会場平行で合計28コ−ス設けています。これは若い臨床家や実地医家を主たる対象とした企画で、診療に即役立つテーマを主体としております。これらにより、本学会が参加者の皆さんにとって、実り多いものとなることを願っております。多数の先生方のご参加をお待ちいたしております。


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