| 医局員コラム |
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将来何になりたいか?子供のころにこれを訊かれて、私は「まんじゅう屋」と答えてい ました。たぶん小学校低学年の頃だと思います。大人になった今の言葉で表すと当時の心境に多少の修飾はされるものの、自分の工夫次第であらゆる形を創造しうるという専門職への憧憬と、饅頭が好きなだけ食べられるという腹があったためでしょう。小さい頃から絵や写真や工作が好きで、ぬり絵は嫌いで、プラモデルは改造ばかりしていた私は、趣味と実益を兼ねた仕事に就き、さらにマニアックなことを成し遂げることで自己満足に浸ってやろうとすでにこのころから考えていたに違いありません。 以降、私は進学とともに趣味もたくさんになり、実際は、饅頭屋さんではなく皮膚科医となりました。現在の多くの趣味のうち一番に挙げられるのは顕微鏡やカメラなど光学機械いじりなのですが、病院勤務の皮膚科医の仕事は、私にとってこれほど実益と嗜好を同時に満たすも他にないのではないかと思われます。臨床の記録や組織の顕微鏡写真をとるのに光学器械を触らない日はありませんし、また休日に撮った風景や野鳥や子供の写真は医師会などの講演をするときに使用するスライドに挿入されたりしますし。 また、私の勤める、近畿中央病院は癌拠点病院なので自分の得意分野の血管肉腫などはあらゆる工夫をしているのですが、そのほか力を入れている分野は、まさにカメラを使う画像検査であるダーモスコピー検査だったりします。詳しくはこちらのホームページをどうぞ。 http://www.kich.itami.hyogo.jp/department/information/index.html?department=4 ところで、私は患者さんに病状などの説明をするときには、難しい専門用語を並べたてるより、いろんな身近なものに例えて理解してもらうように工夫するのが好きなのですが、今の私の状況をかつてあこがれた饅頭屋さんに置き換えてみると「普段は店をやりくりするために売れ筋のポピュラーな饅頭を作るとともに、各季節やイベントに応じて採算を少し度外視した創作饅頭をつくりつつ、時々、味見と称したつまみ食いをする」といった感じでしょうか。要するに、自分の最大限の能力を発揮して仕事、仕事以外ともバランス良く(自分なりに)満足してやっているということです。ほんとに全くの自己満足ですが。そういえば、私の嗜好の方向性にもっとも似ている末っ子 (Fig.1) に将来何になりたいか聞いてみたところ、ケーキ屋さんになりたいそうな。このまえの七夕の短冊にもそのように書いていました。(Fig.1 Lens: Hugo Meyer Gorlitz Trioplan 36mm f 2.8) |
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| 平成24(2012)年8月10日掲載 |