学会参加印象記

第27回日本乾癬学会
会頭:伊藤雅章新潟大学教授
会期:平成24年9月7日(金)〜8日(土)
会場:朱鷺メッセ(新潟市)
片山一朗
   
 第27回日本乾癬学会に参加した。阪大皮膚科からは糸井先生、中山先生が口演し、また谷、山岡先生や日生病院の東山先生、岡田先生など乾癬を専門とされる先生方が参加されていた。空路新潟に入ったが、新潟周辺は稲穂が黄色く色づき、秋の気配で、大阪の暑さをしばく忘れることができるかと思っていたが、会期の2日間とも連日33度を超す暑さであった。
 今回は例年に比し、参加者が多かったようで、広い会場が人で溢れ、懇親会も盛況で、伊藤先生が用意された新潟の新米1kg入りの記念袋も初日の午後には完売だったそうである。今回の盛況は近年、乾癬治療の中心になりつつある生物製剤の演題やシンポが多く組まれていたためと考える。生物製剤の適応基準での肝炎、結核への対応や使用法、一時無効、二次無効例の治療など勉強になった。HBV−DNAが高値でも核酸アナログでHBVを抑制することで生物製剤を使用できることや、結核患者でも抗結核剤の使用で同様に治療を行えるとのお話で、消化器内科や呼吸器内科と日頃から密接な連携をとっておくことの重要性を再認識した次第である。また興味ある演題としてはParadoxical reactionに関する8題、マルチキナーゼ阻害薬やEGF阻害薬により乾癬が軽快した例の報告などがあった。特にこれらの分子標的薬で高頻度に見られる手足症候群やざそう様皮疹、爪囲炎などいずれの症例でも見られなかったとのことで、乾癬の発症機序を考える上で重要な発表であった。Paradoxical reactionの発症機序はまだ不明のようであるが、組織反応やマイクロRNAの解析などから今後その病態が明らかになるかと考える。糸井先生の発表されたSuperimposed linear psoriasisは飯塚先生からも極めて珍しい症例で、先のParadoxical reactionの発症機序の病態解明に繋がるのではないかとの意見を頂いた。乾癬と汗孔角化症の併存例でお互いの皮疹がさけるような分布をとることや、分子標的薬での皮疹の発現機序とあわせ糸井先生の研究の進展に期待したい。
 患者会関連でも、世界の乾癬患者会との連携が進んでいることを札幌市で開業されている小林仁先生から伺った。
平成24(2012)年9月10日掲載