教室関係コラム

2012.10.01

ぶき太の学会見聞録 PASPCR in Utah

XVII Pan American Society of Pigment Cell Research (PASPCR)
主催:Greg Barsh (Hudson alpha institute), Sancy Leachman(Huntsman Cancer Institute)
場所:Park City, Salt Lake City in Utah
日時:2012.9.19-22
演題:Molecular Structural Analysis for the Hypopigmented Macules in the Patients with Tuberous Sclerosis

壽 順久

ぶきたの学会見聞録

 アメリカはユタ州、Park Cityで開催された、第17回PASPCR2012に出席してきました。関空→Sanfrancisco→Salt Lake Cityと乗り継いで、Salt Lake Cityから車で1時間ほどのところにPark Cityがあります。学会場のSt. Regis Hotelに夜10時くらいに到着し、まずは晩飯にしけこみました。アメリカの食事はあまり美味しくないイメージがありましたが、非常においしく特に肉料理は向こうのワインに非常によくあいました。疲れていたせいか比較的ゆっくりと寝れました。

Poster前記念撮影。暗くてすいません(写真左)

 翌朝9:00から学会開始。もともとマニアックな学会ですが、その中でも初っ端からアヒルや蝶の色素といった超マニアックなセッションから始まりました。しかしながら勉強になります。僕の英語力(日本語もですが)は非常に拙いので、しゃべっている内容は約3割くらいしか分かりません。スライドと合わせて半分くらいを把握するのがやっとです。それでも勉強になりました。人と異なる生物から得られる情報は一見遠いようですが、人の研究のヒントになるんじゃないかと思います。午後は、Basic researchのポスターセッションがあり、僕と種村先生、田中文先生が発表しました。僕はTSC(Tuberous Sclerosis Complex)の白斑のメカニズムについての研究を発表しました。これもかなりマニアックな内容で、ほっとしつつも残念ながらあまり質問されることはありませんでしたが、コロラド大学のSpritz先生が気を利かして質問してくれました。現在、留学先を探していることもあり、早速Spritz先生にApplyしてみましたが、残念ながらお金がないそうです。

  • Spritz先生と。大御所ですがフランクです

  • Leachman先生と。とても陽気な先生でした

 翌日はVitiligoとMelanomaがてんこ盛りでした。現在僕は、Vitiligoのマウスモデルの作成とMelanomaの間質と微小環境について研究をしていますが、少しずつずれていて直結しそうな話は残念ながらあまりありませんでした。アメリカのMelanoma研究はBRAFやNRASをはじめ、Gene mutationをターゲットとした研究が真っ盛りな印象でした。お昼休みを利用して、目の前にある山にみんなで登りました。1時間ほど登って頂上にたどり着きましたが、非常にきれいな景色でした。この壮大な景色はなかなか日本では目にすることのできないもので、アメリカのでかさを痛感する瞬間でもありました。 夜は、主催したUtah大学のHUNTSMAN Cancer InstituteでInvited Partyがありました。その前に主催のSancy Leachman教授のラボ見学とUtah大学病院の見学をさせてもらいました。ラボは先がかすむほど巨大なラボでのぞいた人全員が、「Waoooo」と声を上げていました。病院も非常にきれいで、化学療法室なんかはこれでもかっていうくらいLuxuryなものでした。Partyは、バンドの生演奏のなか行われました。アメリカ人はみんなダンスが好きで、僕、種村先生、田中先生、清原君で踊りに行きました。片山先生も引き込もうと画策しましたが、残念ながら僕たちの術中にはまることなく片山ダンスを拝むことはできませんでした。主催であるSancy Leachman教授は、終始ダンスに勤しんでおり少しだけご一緒させていただきました。もちろんApplyさせていただき、現在Pending状態です。

  • ラボ見学。でかすぎて端が見えません!

  • Utah大学 HUNTSMAN Cancer Institute Party会場。清原君はとても元気そうでした

PASPCRも最終日を迎え、午前のセッションを聞いたのちSalt Lake Cityをはなれ、Los Angelsに向かいました。ロスは僕のお師さんである種村先生が40年の人生のうち2年弱もいたため、「第2の故郷」と豪語するほど素晴らしいところです。少し買い物をしたのち清原君おすすめの中華料理を食べに行きました。アメリカはどこに行っても何を食べてもキングサイズです。みんなでシェアしましたが、やっぱり食べきれませんでした。 翌日朝から、水族館、美術館を見たのち、種村先生の留学先で現在は清原君が留学しているDr. HoonのJohn Wayne Cancer Instituteのラボを見学させていただきました。こちらは非常に歴史を感じるラボで、お師さんもここで実験しClinical Cancer Researchを見事に書き上げたんだなあ、と感銘に浸りました。清原君の机の横にお師さんが残していった大量のゴルフボールがあったのが印象的でした。アメリカ最後の夜は、西海岸近くのお師さんお勧めのSea foodを食べに行きました。これまた絶品!ビール飲んでワイン飲んで、ムール貝にオイスターを食べてまくり、いい感じで帰国の途に就きました。帰国後、室田先生に「太ったんちゃう?」と第一声に言われました。

  • John Wayne Cancer Instituteにて

  • Dr. Hoonラボ内にて。気分は既に研究員です

今学会は、全日程を通じて非常にComfortableに過ごせた学会でした。ホテルは非常にきれいで皆さん親切でした。あとで知りましたが宿泊したSt. Regis in Park Cityはアメリカで10本の指に入るほどのホテルだそうです。Sancy Leachman教授をはじめ、Utah大学の先生方には大変な歓待を受け、色素細胞の高名な先生方とお話しさせていただけたこともよかったです。また行ける日、お会いできる日を楽しみにしています。

  • 到着日

  • 最終日

いかがでしょうか。やはり少し大きくなっていますでしょうか?

平成24(2012)年10月1日掲載

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