学会参加印象記

第63回日本皮膚科学会中部支部総会 室田浩之
2012年10月13-14日(大阪)  
 10月13−14日に行われた中部支部総会に参加してきました。趣向を凝らしたプログラムで、タイ焼きでもうしますと頭からしっぽまでたっぷりアンコが入っているようなものでした。会長の古川福実先生をはじめオーガナイザーの皆様のご尽力の賜物です。
幹細胞のセミナーでは玉井先生、中村先生のお話を拝聴しました。玉井先生は表皮に由来するHMGB1が骨髄の間葉系幹細胞を刺激、局所に動員する事で皮膚の再生が促されることをクリアに報告されました。ご自身の骨髄細胞でも検証を行われたことに表皮水疱症治療に対する先生の熱意を感じました。中村先生は最近注目されている汗腺、汗管の幹細胞について知見をご紹介いただいた。実はかねてから私たちも汗に関する付属器が妙な分裂能を有していることを不思議に思っていました。中村先生はBrdUのlabel-retaining細胞を皮膚で検索し、エックリン汗腺にBrdUの取り込みが多いことを突き止めました。全身の汗腺の数は生まれた時から決まっていて、生後増える事はないと言われています。そんな汗腺が皮膚損傷の非常事態において様々な形で応用されるのかとかんがえると切なく、エックリン汗腺を大切にしようと思いました。
2日目の熊切正信先生のお話は私の身につまされる内容でした。病理組織を診る姿勢の大切さを改めて学びました。メラノサイトと神経の関係では爬虫類の擬態の例を上げ、神経とメラノサイトが相互に情報交換をしているかもしれないという展望を示されました。先だって行われた国際かゆみシンポジウムにおいて表皮細胞が神経とシナプスを形成するという傳田先生のお話を拝聴した後でもあり、これら一連の神経と皮膚にまつわる話は私に大きなインパクトを与えました。
写真はカラフルなスカラベのアクセサリーです。
色の表現は様々。ヒトが自身の皮膚の色をコントロールできるのか興味のあるところです。
平成24(2012)年10月23日掲載