学会参加印象記
10th Meeting of the German-Japanese Society of Dermatology (GJSD)
2012年11月14-17日(徳島)
西岡めぐみ
   
 この度、10th Meeting of the German-Japanese Society of Dermatology (GJSD)に参加しました。このミーティングに参加して、ドイツと日本という地球の反対に位置するほど遠い国の先生方が、非常に親睦の深い関係を築かれていているのだということを肌で感じることができました。一つ一つの演題に対して、日本・ドイツ双方の先生方から活発に質問や意見が出され、多方面に渡る議論が展開される様に圧倒されました。普段、異なる患者背景・文化・制度の中で診療を行っている視点から、まったく垣根を感じさせない関係に基づいて意見を交わす時、一つの国の中だけでは得られない議論の深まりが生まれるのだと知り、自分もこのような国際的な交流にできるだけ活発に参加していこうと思いました。
私はこの学会に、cancer testis antigen(CT antigen)という癌抗原の、日本人の皮膚癌におけるデータをポスターで発表させていただきました。この抗原は癌免疫療法のターゲットとして注目されており、実際にCT antigenを標的とした臨床試験も大阪大学を含む各国の医療機関で進行中です。しかし、CT antigenに関する研究は現在まで主に欧米人についてしか行われておらず、今回の私たちの検討が日本人における初の研究となります。ポスターセッションはあまり議論が交わされず、ドイツにおける癌免疫療法やCT抗原に関する情報を得ることができなかったのは非常に残念ですが、この学会に参加することで、やはり自分は「日本の」皮膚科医であることも強く実感し、欧米のデータの使い回しでは無く、日本の遺伝的背景や環境によって現れる独自のデータに基づいた日本人に最適な医療を提供するために尽力すべきであると感じました。今はまだ有効な治療法に乏しい進行期メラノーマ等の皮膚癌患者さん達の新たな希望に繋がるよう、日々努力したいと思います。

平成24(2012)年11月18日掲載