学会参加印象記

第28回日本臨床皮膚科医会総会・臨床学術大会

片山一朗


2012.4.21-22 博多(ホテルニューオータニ博多)
会長:津田眞五(津田皮膚科クリニック)

 昨年に引き続き、日本臨床皮膚科医会臨床学術大会に出席した。昨年の27回大会は笹川征雄先生が大阪で開催され、過去最高の参加者であったそうだが、今年はさらに多くの会員でフロア、会場が溢れかえっていた。
 この大会(学会とは呼ばない)はもともと開業の皮膚科の先生が中心になって運営されており、勤務医、大学関係者はあまり参加しない会だったが、昨年からかなり多くの勤務医の先生の参加が見られるようになってきた。その理由としては会長のカラーを打ち出したプログラムが増え、必然的に臨床の第一線の現場で患者を診る医者であれば、誰にでも声がかかるようになってきたためかと考える。私も薬疹のシンポジウムに呼んで頂き、薬疹の皮疹や検査成績の診方を講演させて頂いた。このセッションでは勤務医として国立がんセンターの山崎先生は最近患者が増加し、また治療に苦慮する分子標的薬による皮膚障害の管理法を、また開業医として松山市の町野先生がサプリメントによる薬疹を多数呈示された。総会ではあまり聞けないタイプの薬剤アレルギーの最近の話題を聞くことができた。また宮崎県皮膚科医会による帯状疱疹の疫学調査、加水分解小麦石鹸によるアナフィラキシーの取り組みや診療報酬に関する話題などいづれも充実した内容だった。今回はさらに韓国、中国、インドネシア、タイの皮膚科の先生がそれぞれの國で問題となっている皮膚疾患の話題を講演された。皆さん興味深い感染症の話題が多かったが、特に大洪水に見舞われたタイの救援活動における皮膚科医の活躍を述べられたSindhvanada教授のお話しは昨年の東日本大震災時の皮膚科医の活躍の話と重なり、胸に迫るものがあった。
 ポスター賞は笹川先生の「靴の中の気候と白癬」、浅井俊也先生の「非定型的成人手足口病」、神奈川県皮膚科医会のイボに関するアンケート調査などが受賞されたが、いづれも多忙な開業医の先生方による立派なお仕事であり、心からお祝いしたい(実際私が投票したポスターが金賞、銀賞を受賞された)。
懇親会は多くの懐かしい先生方と旧交を温めることができ、楽しい時間を過ごすことができた。某教授との話で「開業の先生方による大会がこれだけ充実してくると日本皮膚科学会もおちおちしておれない」という言葉が印象に残った。
今回は大阪大学からは私と室田浩之先生のみの参加であったが、若い先生も聴講するに値する学会と考える。

2012年