教室関係コラム

2013.06.10

第6回IID「初めて海外での皮膚科学会に参加して」

初めて海外での皮膚科学会に参加して 〜ZebrafishとFish &Chips〜

大阪大学医学部皮膚科学教室
田中まり

 エジンバラで行われたInternational Investigative Dermatology とPigment Cell Development Workshopに参加してまいりました。
 IIDの前に、アメリカ留学中の壽先生と私は、7日から8日昼まで、エジンバラ大学Pollock Halls Campus 内のJohn McIntyre Conference Centre で開かれたthe Pigment Cell Development Workshopに参加しました。センターはIID会場とは離れていて、ホテルから公園を抜けて徒歩25分位の距離にあり、2日間歩きながら気持ちのよい眺めを楽しみました。(7日の寺尾先生のoral presentationを聞けなかったのが残念でした。)このワークショップは、殆どの発表がゼブラフィッシュを用いたメラノサイトの基礎研究で、参加者も基礎の先生方が多く、知らないことばかりで、(英語力の低さも相まって)内容を理解するのが大変でしたが、それでもMITFの温度変化での作用変化や、東京医科歯科大の西村栄美先生の講演など興味深かったです。
 海外で開催される皮膚科の国際学会は初めてでしたが、バグパイプで先導された8日夕のオープニングセレモニーも、ホールの素晴らしさと相まってとても印象深かったです。Rising Stars Lecturesでの京都大学椛島先生の講演は、周りにいる外国の聴衆が一番身を乗り出して聴き、うなずき、笑い、大きな拍手をされていて、本当に魅了されるものでした。(同じ日本人として、ちょっと誇らしかったです。)
 ポスター演題は1500以上あり、自分の興味ある分野を見るだけでも充実したものでした。討論も活発で、興味あるポスターの発表者に質問すると(拙い英語にもかかわらず)丁寧に教えていただき、勉強になりました。
 私にとっては初めてのUK(スコットランドなので、Englandと言っては怒られます)で、古い町並みの落ち着き、どこも絵になる景色、Pub、Fish &Chips、おいしい紅茶も、とても心に残りました。
 参加してあらためて、自分の英語力の低さと、また、発表している多くの研究者の日々の努力を実感しました。研究も英語も、カメの歩みでもいいので、私も頑張りたいと思います。
 今回、白斑の臨床試験のポスター発表で、このような大きな国際学会に参加する機会をいただき、大きな経験になりました。臨床試験にご協力下さいました患者様に心から感謝申し上げます。

第6回International Investigative Dermatology (IID)
会長:Alexander Enk 教授(ハイデルベルク大学)
会場:エジンバラ国際会議場
会期:2013年5月8-11日

平成25(2013)年6月10日掲載

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