学会参加印象記
7th World Congress on Itch (WCI) 2013参加報告
2013年9月21-23日 in Boston
大阪大学医学部皮膚科学教室
D1山賀 康右

 今回、片山教授、室田講師とともにアメリカ・ボストンで開催された7th World Congress on Itch (WCI) 2013に参加しました。9月のボストンは涼しく幸い天候にも恵まれ、普段着なれないスーツを一日中着ていてもまったく苦にならなかったです。

学会には世界各国から皮膚科の先生だけでなく、麻酔や神経学を専門にされている先生方も多く参加され、oral presentationだけでも70以上の演題が御座いました。

私は皮膚科に入局1年目のド素人でかゆみについて無知ではありますが、今回の学会に参加させて頂いて、かゆみに関する最新の情報に触れさせて頂き、非常に多くの収穫があったように感じております。研究面ではかゆみと末梢神経-脊髄-中枢神経とを関連づけている演題、臨床面では慢性腎臓病などの全身疾患と掻痒に関する演題が目立ちました。ドイツの麻酔科医でいらっしゃるMartin Schmelz先生が座長として各演者に対して「皮膚生検はしたのか」と繰り返し質問されておられたこと、九州大学皮膚科学教室の御所属で、現在Pittsburghに留学されておられる蜂須賀 淳一先生がパッチクランプ法など電気生理学的手法を用いたかゆみの御研究についての御発表されておられたこと、Anne Louise Oaklander先生が神経性の掻痒についてsmall fiber polyneuropathyが原因として最も多く診断には生検を要すると発表され、Deon Wolpowitz先生が掻痒症に対する生検の重要性とその手技について発表されておられたこと、Christian Apfelbacher先生が1200名以上にも及ぶ手湿疹患者について解析された結果を発表されておられたことなど、印象に残る御講演が多く御座いました。

そして、かゆみについて皮膚の状態はもちろん、神経、その他全身の状態を含めて包括的に考えることが重要であると痛感致しました。

ところで私は「The impact of capsazepine on artemin-induced thermal hyperalgesia」という演題で10分間のoral presentationをさせて頂きました。研究発表をするのも初めてですし、まして英語で発表をすることなんて今までまったくなかったので、出国前は大変緊張しておりました。本番では
・指定時間内にプレゼンを終える。
・前を向いてプレゼンする。
この2点のみを心掛けて発表させて頂き、無事発表を終えることが出来ました。
質疑応答でも3-4人の先生方から御質問、御指摘を頂きましたが、なんとか乗り切れたように思っております。(勘違いかもしれませんが)

室田先生は次回のWCIを当科主催で奈良で行うことについて、片山先生はステロイド抵抗性の痒疹におけるビタミンD3外用の有用性、痒疹の痒みが異常な神経の伸長によらないことについて御講演されておられました。御二人とも堂々とプレゼンテーションをされておられ、私も先生方のような御講演が出来るよう精進せねばならないと感じました。

学会の最終日である23日から25日にかけてはニューヨークに滞在しておりました。
24日に現在留学中である梅垣先生の御紹介でColumbia UniversityのAngela M Christiano先生の研究室を見学させて頂きました。そして、そちらでも再度プレゼンさせて頂きました。学会で数百人の前で発表するよりも研究室で十数人の前で発表する方が何故か緊張しました。

今回の米国訪問で多くの日本人の先生方はもちろん、海外の先生方とお話しすることが出来たこと、そして海外の英語しか通じない状況で2回もプレゼンテーションをさせて頂いたことは、私にとって大変貴重な経験となりました。

今回は室田先生が中心となって行われた研究内容について発表させて頂きましたが、今後は私自身が中心となって行っている研究内容について、海外で多く発表できればと思います。そのためにも日々精進して行きたいと思います。

本学会の会頭でいらっしゃるEthan A. Lerner先生及び学会を運営されている皆様、研究室の見学をさせて下さったAngela M Christiano先生と研究室の皆様、ニューヨークを案内してくださった梅垣先生とそのご主人ならびにご友人、今回このような機会を与えてくださった室田先生と片山先生に深謝致します。

2年後のWCIは当科主催で奈良で行われる予定であり、近場なので先生方も是非御参加下さい。
P.S. バーで年齢確認をされて、少しテンションが上がってしまいました。

私がプレゼンテーションをしている様子です。

平成25(2013)年9月29日掲載