学会参加印象記
Drug Hypersensitivity Meeting 2014 April 9-12 Bern, Switzerland
RegiSCAR-Meeting April 12-16 Kirchzarten, Germany
加藤健一
(大学院博士課程)

 今回スイスのベルンにてDrug Hypersensitivity Meeting 2014に参加して参りました。私にとって昨年台北で行われた8th International Congress on Cutaneous Adverse Drug Reactionsに続く2回目の薬疹の国際学会への参加でした。
ヨーロッパで行われた学会でしたが、今回も日本から多くの研究に携わっておられる先生方が参加されておりました。また今回の学会で強く印象に残った講演の多くが日本の先生方による講演であったように思います。
薬疹の分野は、薬疹の発症機序において未だ解明されていない部分が多く、治療プロトコールなどに対する統一したコンセンサスが得られていない分野です。例えばステロイドの内服による治療はヨーロッパでは一般的ではありません。日本国内においては、内服治療そのものは行われていても、その内服量や漸減方法が施設により違っている状況です。未開の部分が多いこの分野は今後もさらなる研究が必要とされています。
DHM参加後、ドイツのフライブルグ近郊のキルヒツァルテンにてRegiSCAR-Meetingに参加しました。RegiSCARとはSJSやTEN、DIHSといった薬剤性重症皮膚有害反応(severe cutaneous adverse drug reactions, SCARs)の症例を収集・登録し、疾患の病態を突きとめることを目的としたネットワークです。元々ヨーロッパの国々を中心に始まり、現在は南アフリカや台湾などからの参加もあります。ここに今回は日本からも参加し症例提示をして参りました。
RegiSCARでの症例登録において原因薬剤や治療内容、治療の影響などが考慮されないことに日本との違いを感じました。また登録に際しての重症度判定がエキスパートと言われる数人の専門家によって行われることも興味深いものでした。やはり薬疹の分野の研究は課題の多くの課題を抱えていると感じました。
話はDHMに戻りますが、今回の大会は、p-iコンセプトでも有名なPichler先生が会頭の下、開催されました。Pichler先生は3月に退官され、今回が最後の学会主催となるとのことで、あらゆる講演の中でスライドに様々な写真が現れたことにより”イジられて”会場が温かい雰囲気になりました。Pichler先生のように国際的に活躍し、なおかつ世界中の研究者から尊敬され愛されるような研究者になれるとすればそれは素晴らしいことです。自分もまたそういった研究の一翼を担いたいと思いました。

学会会場からの景色。アーレ川にかかるコルンハウス橋と旧市街。その奥には早春のアルプス山脈が見えました。


学会終了後の夕方にベルンにあるアインシュタインハウスを訪れました。なにかいいアイデアが浮かびそうな気がします。

平成26(2014)年4月29日掲載