医局員コラム

第11回日独皮膚科学会
German-Japanese Society of Dermatology (GJSD)
会場:Marriot Hotel Heidelberg      
会期:2014年6月11−14日
大阪大学医学部皮膚科学教室
助教 田中 文
 6月11日から14日にドイツのハイデルベルグで開催された日独皮膚科学会に参加させていただきました。現地の方によれば期間中はまれにみる晴天続きであったとのことで、学会はネッカー川のほとりの会場で素晴らしい景色の中で行われました。
日独皮膚科学会へは今回初めて参加させていただきましたが、日独ともに各大学の高名な諸先生方がたくさん参加されており、多少緊張しながら会が始まりました。
初日の午前にはドイツから手湿疹に関する演題が複数あり、身近な疾患で日常診察の際には時に画一的な診察治療となりがちであったことを反省しつつ拝聴しました。

 悪性腫瘍のセッションでは、悪性黒色腫のみならずそのほかの皮膚悪性腫瘍に対する分子標的薬による治療の可能性(再発性、転移性有棘細胞癌に対するセツキシマブ、メルケル細胞癌に対するイマニチブなど)や、腫瘍免疫でのM2マクロファージの役割などに関する演題があり、大変勉強になりました。
その他にも、ちょうど少し前に抗TIF1α/γ抗体陽性の皮膚筋炎の患者様が入院されていましたが、悪性腫瘍内のTIFγに対して抗体が産生されるためこのような患者さまでは抗体価が腫瘍マーカーとして参考になる可能性があることも報告されており興味深く感じました。
 参加者には学会場のホテルで朝食、昼食が準備されており、日独の多くの先生と同席させていただくという普段ではめったにない機会に恵まれました。大変に刺激をうけ、もっとしっかり皮膚科を学んでゆこうと決意をしたのですが、ドイツの先生に日本自慢をしようとしたところ、先方の方が日本文化に詳しく逆に講義を受ける事態となり、こちらもまた日々精進、、、と古城やネッカー川に誓いました。
 最近では日常診療で時間に追われ、日進月歩の治療について行こうとしながら毎日があっという間に過ぎてしまっていたのですが、今回日独の諸先輩方に接して、現在のような様々な検査技術のない時代でも、詳細な観察と洞察力をもった皮膚科医が築いてきた皮膚科学をあらためて魅力的だと実感しました。歴史的背景をふまえた皮膚疾患の理解に努め、今後も頑張っていきたいと思います。


平成26(2014)年6月25日掲載