医局員コラム

第66回日本皮膚科学会中部支部学術大会
2015年(H27)10月31日(土)・11月1日(日)
大阪大学大学院医学研究科
情報統合医学皮膚科学教室
准教授 室田浩之

 神戸大の錦織先生が会頭を務められた中部支部総会に参加した。本会のテーマは輝く皮膚科学だ。輝くためには光が必要だ。錦織先生のご専門である光に焦点を当てたセッションは聞き応えがあった。

ノーベル物理学賞受賞者である天野浩先生の紫外線LEDの話は大変興味深く拝聴した。青色LEDの開発に向けた歩みを聞き、驚愕した。研究費の制限を自分達で機械を製作するなどして障壁を乗り越えた。できるという思い込みも重要とのことであった。青色LEDは光遺伝学にも応用されている。紫外線LEDは赤外線が出ないので熱くない。この技術を飲料水の殺菌に用いられる予定で、発展途上国でのキレイな水の提供に向けた取り組みをされている。

臨床的には新規に難病指定を受けた疾患にスポットを当て、各分野の専門家の話を聞き勉強することが出来た。角化症では山西先生による「これならわかる角化症」と題した講演を拝聴し、特に顆粒変性の意義、周辺帯の詳細な構造など分かったように感じた。

一般演題では群馬大からの強皮症のレイノーに対するA型ボツリヌス毒素を用いた治療の効果に驚いた。ここでもノルエピネフリンの影響!カテコラミンには何かある。順天堂大練馬からは膠原病の異所性石灰沈着を伴った潰瘍にチオ硫酸ナトリウムによる石灰溶解が著効したとの興味深い結果が報告されていた。学生講義で水疱症を担当している私にとって、「水疱症のすべて」は聞き逃せない。診断の際のピットフォールを学び、特に自己抗体の分画や水疱症を疑った際にDIFを行うよう心がけることを再認識した。

CPCは大変聞き応えがあった。美しく主張のある臨床と病理の写真、その映像で語られる病気の生い立ち。身につまされるドラマに感動した。やはり自分の意図した病理写真、臨床写真を撮影できる技量もまた皮膚科医に必須のスキルであることを再確認した。

CPCの途中、私達教室の高橋先生による後天性皮膚弛緩症の発表を聞きに向かった。大変稀かつ原因不明の疾患のこともあり会場は大いに盛り上がった。参加者の的を得た質問と高橋先生のしっかりした受け答えの中で本疾患の病態が見えたような気がした。そんな会場の雰囲気に学会のあるべき姿を見た。
平成27(2015)年11月1日掲載