医局員コラム

11th EADO Congress & 8th World Meeting of Interdisciplinary Melanoma/Skin Cancer Centers
会場:the Palais du Pharo, Marseille, France
会期:2015年10月28−31日
大阪大学医学部皮膚科学教室
助教 田中 文

 10月28日マルセイユで開催されたEADOに参加させていただきました。マルセイユはフランス第2の都市で古代ギリシアやローマ時代からの古い歴史を持つ港町ですが、学会は中心地から近い岬に立つファロ宮殿で絵画のような景色の中で始まりました。
皮膚悪性腫瘍とくに悪性黒色腫の治療は分子標的薬、免疫チェックポイント阻害剤の普及にともない、大きな変容を遂げました。今回の学会でもこれらの治療に関する発表が中心で、全世界的に単独および併用治療で様々な試みがなされており、非常に勢いを感じる会でした。阪大病院内でも他科の医師との会話で話題に挙げられることもあるように、大きな関心が寄せられている分野であり、おそらくこれからの数年は毎年のように新たな知見が加わってゆくと思われました。
 一方で今回私はニボルマブ投与後に免疫関連間質性腎炎を生じた悪性黒色腫の一例を報告いたしましたが、今回の学会ではこれらの新規治療による有害事象の報告は全体的な統計がほとんどで、あまりこれまでの知見と変わりがなく少し残念ではありました。ほぼ同時期に日本で開催されていた日本皮膚科学会中部支部学術大会では、有害事象に関して多くの報告がなされていたとのことでしたので、日本から発信されるこのような検討や報告の蓄積が果たす役割は大きいと感じました。
また、今回の学会の参加者はOncologist、Pathologist、Plastic surgeonとそれぞれの専門が大変に多彩でした。君の専門はなんだと聞かれ、Dermatologistだと張り切って自己紹介もしてきてしまいましたので、今後の日常診療の中でDermatologist としての存在意義をもって真摯に診療に当たるべく、精進しようと考えております。
平成27(2015)年11月9日掲載