アンケート中間報告 大阪大学付属病院東8階病棟看護婦 山根 石見 堀井 佐藤
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阪大病医ナースグループ |
大阪乾癬友の会設立にあたり、皆様が日頃、 乾癬と共に生活を送られるなかでの悩みや苦労を率直に伺うことで、今後の会の運営、ならびに治療と看護に生かしたいと考え、アンケートを実施させていただきました。 回収人数は、5月15日現在男性29 女性21の計50名でした. 回収の方法は、受診先の外来に手渡していただいたり、郵送や電子メールの形でいただいたりしております。 アンケート結果の内容について、まず皆様自身の治療や皮膚のケアの方法など具体的に聞かせていただきましたが、皮膚の手入れについてはその必要性から一日一回は入浴し、きっちり塗り薬を塗っている方がほとんどでした。 石鹸の使用に関しては刺激の少ないベビー石鹸や米ぬか、ヨモギ石鹸など自分の皮膚にあったものを工夫して使用されている事がよく表れていました。その反面「してはならないと思いつつ」そのかゆみからこすってかさぶたを落としてしまう、という方も若干名見られました。 塗り薬については、ステロイドを使用されている方がほとんどの中、ステロイドの名前をきっちり知っておられる方が多く、自分の治療に対する関心の高さが表れていました。 今回の皆様の病歴は半年から50年、平均12.8年と長く、病歴の長い中で状態のよい時期、悪い時期が繰り返し表れることをご自分でよく認識されているのだと考えられました。 悪化しない工夫として、規則正しい生活、禁煙、入浴を欠かさず、塗り薬を塗ること、ストレスを避けるなど一般的によいといわれるものを積極的に取り入れ、自分の体調を整えている方が多く見られました。効果があるにも個人差があるため、病歴の長い中で御自分に適するものを探しておられるのだと考えられました。 次に乾癬に関する現在のお気持ちをお聞きしたところでは「乾癬」があるために一番つらいことは何ですか?について、見た目という外観をあげる人が男女差なく最も多く、ふけ、かゆみと続き、心身共の苦痛を上げられる方が多くありました。また、反面、軟膏を塗るのが面倒という回答も多くありましたが、先程述べましたように、皮膚の手入れの必要性から実際はきっちりと塗られている事がわかりました。その他として、かさぶたの掃除、衣類が汚れる、温泉・海水浴での人の目やまた旅行の時の入浴や、偏見等深刻な意見が寄せられました。 日常生活で避けていることはなんですか?については、水泳・海水浴と温泉・銭湯は半数以上でした。その他の意見として、半袖・半ズボンの衣類・集団検診や第3者との旅行・裸になれない等深刻な意見がありました。反面、旅行には気にしないで行っているの、意見も中にはありましたが、病状が日常生活に大きく影響していることが感じられました。 色々ななやみごとはまわりの人々に「 乾癬」についての正しい知識を広めることでよくなると思いますか?については、男女差なく、はいは76%に及び、広めていきたいという気持ちは今回の患者会の台頭の大きな原動力といえると思います。 次に「 乾癬」についての知識をどこから得ていますか?については、医師が72%と圧倒的であり、他、雑誌や本、インターネットや、他の患者さんというのも多く上げられました。私達ナースも、気軽に声をかけていただき、共に勉強していきたいと思います。 続いて患者会についてお聞きしたところでは、大阪乾癬の会をどのような場と考えられますか?という問いに対し、情報を得る場として会をすすめていきたいと考える方が35名で、その中でも最新の医療情報や体験談を希望される方が多くおられました。今後、回を重ねるたびに話し合い・心の支えとなる場と考える方が増えていくことと思われます。 次に医療者に望むことはなんですか?については、現時点では情報の提供を求められている方がほとんどでした。しかし、会の運営に関しての結果は、患者さんが中心となって、お互いを高め合っていくという友の会の会則と一致する傾向が表れています。 以上のような、アンケート結果の中間報告となりました。 アンケートに対しては結果に出ない行間の声を読みとれなかった事もあろうかと思います。こうした皆様の率直な悩み・貴重な御意見を今後の会の運営並びに、私たちナースチームに投げかけていただきました接点としての、皮膚ケアや心情を理解し看護面で生かす事等真摯に受け止め共に学びながら取り組みたいと思います。 |