背部軟膏塗布の自助具の考案
(軟膏などのお薬を一人で塗れる器具です)
大阪大学医学部付属病院東8階ナースチーム

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作成材料↓

平成14年5月25日(土曜日:至日生病院)の第7回学習会会場に阪大病院東8階ナースチームの方々が自助具の実物を持って来て頂く事になりました。

よく患者さんとの会話の中で「入院中はいいけれど、退院後はどうやって背中の軟膏が塗れるやろう?」と言う声や患者会のインターネットにおいても背中の軟膏が塗れずに困っているという声が聞かれる。退院した患者さんは自宅でのスキンケアの継続が出来ていないのではないかと感じ、自助具を用いることで「独りでも背中の軟膏が塗れないだろうか」と思い院内で看護研究をする機会が与えられたのでので【背部軟膏塗布の自助具の考案】というテーマで自助具の効果を検討した。

まず、自助具については、川村義肢で販売されているロングヘアーブラシ(2500円)を用いました。これはもともと手の上げにくい患者さんのブラッシング用ですが、そのブラシの先端に両面テープを貼り、スポンジを取り付けてサランラップで覆いました。このロングヘアーブラシを用いたのは、柄の部分がドライやーの熱で角度の調整が体型に合わせ自由に出来るからです。

自助具:ブラシの先端には両面テープを貼用しスポンジ(縦9B×横4B×厚み2B)を取り付けサランラップで覆った。


手で塗ったもの
自助具を使用

テスト用軟膏は塗れたかそうでないかを明確にするため、アズノールに紫水を混ぜました。結果は自助具を使用した場合、対象者9人中8人が100%塗れていて、明らかに自助具の効果が見られました。対象者にはアンケートに協力してもらいましたが、これらの結果からそれぞれの体格や感じ方により塗り難さや角度の付け方に個人差があり、またステロイドだと濃度の問題や患部以外にも塗られてしまうという問題点もあるため、自助具の先端部分を患部の大きさに合わせたサイズに応じて変更して行くなど、個々に合った自助具を工夫していく必要を感じました。また、今回の研究は医療者で特に関節の動きに問題ない人を対象とした結果であったので、今後は実際に臨床の中でも、自助具を取り入れて行き患者さんの意見を聞いて行きたいと思います。

材料

ロングヘアーブラシ(川村義肢製:072-875-8020)

スポンジ(縦9B×横4B×厚み2B)

サランラップ(その都度取り替え)

少し手先が器用ならば誰にでも簡単に作れますが、作るのが苦手な方には製品もあるそうです。

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