乾癬はしつこい病気です。良くなったり悪くなったりの繰り返しで、喜怒哀楽の日常につき合いきれなくなり、もうどうでもイイヤとばかり治療に投げやり的になってしまう患者さんも少なからずいます。 皮膚病は症状が目に見えて明らかで(医者にも患者にも)治療の効果は隠しようありません。時々、患者さんは思い詰めたように
「先生、乾癬は治るのですか?」
と聞きます。
私は「治りますよ」と答えます。
事実、治った患者さんを知っているからです。しかし私は急いでこうも付け加えます。「結果だけを早急に焦ってもしんどいだけですよ。治療に反応してとても良くなることもあるし、同じ治療をしていてもまた悪くなることもあります。それは乾癬そのものの『波(なみ)』があるからで、もしかするとそれは人事の及ばないところかも知れません。しかし、その『波 』の最悪点を浅くすることは出来るんです。それは患者さん自身が乾癬の動きを知ることで、可能となります。治療に反応するときの感触を思い出して下さい。再発してくる時には“何らかの前兆があったはずです。その時ちょっとした努力で、(たとえば、軟膏を一日きっちり2回塗るとか、、。)水際で押し留めることも可能です。
治療目標は、『完全治癒 』ではなく、日常生活で邪魔にならない程度にコントロールできている状態に置くことが現実的でしょう。そのためには定期的な皮膚科受診が絶対必要となります。 また、自分自身の日常生活に乾癬の増悪因子を発見、認識して対応することがとても重要です。 暴飲暴食、過度の肉体的、精神的ストレス、食事のかたより、風邪をはじめとするいろいろの感染症などです。