医局員留学便り

留学先:John Wayne Cancer Institute at Saint John's Health Center

Eiji Kiyohara, MD, PhD
Department of Molecular Oncology

 このたび大阪大学皮膚科教授片山先生のお許しを得まして、2012年1月下旬より米国カルフォルニア州サンタモニカにあるジョンウェイン研究所に留学している清原です。留学前は未来医療センターという臨床研究の推進機関に出向しつつ、病棟、学会、手術、専門医試験、卒業論文などを同時にこなさなければならなかったため先輩後輩含めて多くの諸先生方や秘書さん、実験助手さんに助けて頂きました。この場をお借りして御礼申し上げます。
ラボについてですが、すでに当研究所に留学されていた種村先生がコラムにて紹介している通り、メラノーマの臨床検体を使用し多くの論文を発表している所です。私以外にも4人の外科の先生(阪大、慶応、東大)が留学されており、昔から日本人フェローが多い所でもあります。ボスのDr. Hoonは非常に精力的な方で、議論についていけないことがまだありますが、研究所という場所でアメリカの競争社会を勝ち抜いた人であるという結果を見てみると日本人が学ぶ所は多くあると思います。どんな人かと聞かれるとDr. Hoonの様である、というとんちの様な答えしかできない個性の方で、Anywayという言葉の後にはhard workが待っています。現在取り組んでいるテーマを簡単に書けたらと思いましたが、さすがDr. Hoonです。直前に実験内容のことはもらさない規則があるぞ、というメールが全員に送られてきました、どこで気づいたのでしょうか。最近では血中に漏れ出た癌細胞(CTC)に関する論文をいくつか出しており、私もそれを引き継ぎながらどう発展させていくかを考えている所です。最近はgeneticな分野に力を入れており、皮膚科では見ることのない機械も多くあります。英語はまずます修行が必要で、新しい機械の習得をメインで任されて英語で3日間トレーニングを受けた際には、日本人フォロー曰く鬼の形相だったとのこと。国際電話を使った複数人同時のdiscussionという日本ではまず経験しない事も2回行いましたが、恐らく般若か阿修羅の様であったことが推測されます。喰らいついていくしかありません。
LA生活についてですが、3月末にようやく4ヵ月の赤ん坊と一緒に家族が来てくれました。生後一ケ月で留学したため、ほとんど抱っこもしておらず、家族の時間は日本よりもとってあげたいと思います。カルフォルニアは暖かく、半袖のイメージがありますが思ったよりも朝夕は冷え込み、まだ温かいというイメージはありません。それでもはるかに日本よりも過ごしやすいです。また、サンタモニカの海辺にはお金持ちが多いので豪邸、別荘めぐりが我が家のストレス解消法になっております。あっ、そろそろDr. Hoonの見回りの時間です。最後になりますが、日本では経験できないことをいろいろ経験し(もちろん研究ですが)、吸収したものを皮膚科にどうしたら還元できるかを考えながらやっていきたいと思います。後輩の先生方も是非研究しに大学院、留学を。

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今いる部屋のメンバーです。真中がアルゼンチンから来たDiego Marzese君で、非常に優秀で遺伝子の解析を得意としています。右が外科医のKelly Huynhさんです。一児の母でありながら研究を頑張っており、月に一人選ばれる優秀者にも選ばれました。来月には臨床に戻る予定です。この部屋にいるとやる気になれます。
 
写真2
平日に併設のSaint John’s病院で感謝祭のようなイベントが行われていました。右の方が阪大消化器外科から来られている星野先生です。アメリカらしくロックmusicを大音量でガンガンかけていましたが、患者さんへの騒音を考えると日本ではありえません
2012.5.14 Update