医局員コラム

2015年1月23日(金)〜24日(土)
第38回皮膚脈管・膠原病研究会
会長:佐々木哲雄教授
会場:国際医療福祉大学三田病院
大阪大学医学部皮膚科学教室
山岡俊文

 国際医療福祉大学三田病院で開催された第38回皮膚脈管・膠原病研究会に参加してきました。東京タワーからほど近い都会の真ん中に佇む会場の横には建設中の高層マンションがあり、日々様相を変化させる街並から5年後の東京オリンピック開催に思いを馳せた。
 この研究会は、膠原病を専門とされる先生方が多数参加され発表5分、討論5分と議論が白熱するため、真冬の外気とは一線を画し、室内は初夏を思わせる熱気に満ちあふれていた。例年本研究会に参加していますが、いつも帰りの車内で、膠原病患者さんに対する皮膚科医の立ち位置について思い返しながら帰宅の途につく。一言に膠原病といっても全身性疾患であり、皮膚科医がすべてを抱え込む必要はないと思いますが、皮膚症状は視診で判断でき、いち早くその変化を正確に判断できる我々皮膚科医の果たすべき役割は大きく、さらには血液検査を追加すれば病勢も判断できます。当然のことながら、重症内臓合併症を併発する場合も多いですので、重篤になる前に皮膚症状から早期治療介入の必要性について判断する姿勢が極めて重要であると思います。
 さて実際の内容についてですが演題数95、スポンサーセミナー4とすべてが充実した内容でした。特に勉強になったことは、特発性血小板減少性紫斑病は、我が国のみで使用されている病名であり、海外では免疫性血小板減少症と統一されていること。さらに以前は消費亢進が原因とされていたが、近年は産生障害もベースにあることが明らかとなったこと。また新たに診断基準も提唱され、まず二次性でなければヘリコバクターピロリ感染の有無をチェックし、感染が確認されればまず除菌を行うこと。実際に膠原病患者さんを診察していると良く血小板減少症に遭遇します。薬剤、感染症を否定し、PAIgG、網血小板、TPOなどを測定して判断していましたが、PAIgGの測定や骨髄穿刺はまったく意味がないとも教えていただいた。さらに血液内科に相談するタイミングも血小板数が5万以下で、出血症状がある場合と具体的に教えていただき、明日からの臨床に直結するありがたい内容であった。
 一般演題については、僕自身が治療に難渋しているcPNの報告が心に残った。もう一度他疾患の鑑別、治療法について検討しなければいけないと今までの治療経過が頭を過った。その後場所を移し懇親会で墨東病院の沢田先生にcPNの治療法についてアドバイスをいただき、何とかして良くすると根拠のない自身も湧き出てきた。
 このようなすばらしい研究会を、少人数で開催された佐々木哲雄教授の心労は計り知れないが、とても有意義な研究会であった。来年は、高知大学の佐野栄紀教授が会長を務められる予定である。昨年も乾癬学会で高知を訪れたが、今から来年の研究会が待ち遠しくなってきた。

平成27(2015)年1月27日掲載