開催にあたって

  第25回日本色素細胞学会を2013年11月16日(土)〜17日(日)の2日間、大阪大学銀杏会館にて開催いたします。本学会を担当させていただきますことを大変光栄に思います。基礎・臨床・企業研究者が集い、色素細胞に関する最新の研究成果や症例報告を発表し、活発な討論が飛び交うユニークな学会の伝統の継承とさらなる発展をめざし、教室員一同鋭意準備を進めてまいりました。
 日本色素細胞学会は我々皮膚科医の大先輩である三嶋豊神戸大学名誉教授を理事長として設立された学会です。厚生労働省の白斑研究班の班長を務めさせて頂いた関係で、今回大阪での日本色素細胞学会を開催させていただくことになりました。この学会は会員が200名くらいの比較的小規模な学会ですが、最初に述べさせていただいたように、その分基礎、臨床のエキスパートの先生が参加される非常に密度の濃い学会で、また国際色素細胞学会(IFPCS)やアジア、欧州、米国色素細胞学会ともそれぞれ連携し、機関紙もPCMR (Pigment cell melanoma research)という皮膚科ではJIDについでIFの高い雑誌です。皮膚科医であれば皆さんご存じのメラニン生成の研究で世界的な業績を残された清治眞先生は東北大学の皮膚科教授であり、東北大学初代教授の遠山郁三教授による遺伝性対側性色素異常症、太田正雄教授による太田母斑、伊藤實教授による伊藤母斑 、Hypomelanosis of Itoなどの記載など皮膚科医が色素細胞研究の発展に大きく寄与し、また三嶋豊先生、神保孝一先生などメラノーマの先端的な治療にも皮膚科医が大きな貢献を残されてきました。
ただここ数年、臨床、基礎また研究分野を問わず若手の研究者の減少や海外留学を希望する方の数が下降線を辿っております。基礎系のメラニン色素研究者や臨床系の大学院生、学生、若手研究者も参加しやすい設定、プログラム構成を考えております。また英語での発表も可能にしたいと考えており、詳細は学会ホームページを参照下さい。
 特別講演としては大阪大学大学院の吉森保教授とUniversity of California IrvineのAnandK Ganesan教授に「Autophagyとメラノサイト」のKeywordで最新の研究に関する話題を、またJohn Wayne Cancer InstituteのDave S Hoon教授には「メラノーマの最新治療」に関する講演をお願いしております。多くの先生方の御來阪をお願いする次第です。
最後になりますが、学会会場の大阪大学は千里丘陵に有り、近くには国立民族博物館や万博記念館などがあり。学会の合間に散策していただければと思います。会員の皆様方の多数のご参加とご指導、ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げますとともに、浪花の文化や食を心から楽しんで頂ければと願う次第です
 
第25回 日本色素細胞学会学術大会 
大阪大学大学院情報統合医学皮膚科学 教授
会頭 片山一朗