乾癬の皮膚を顕微鏡で見たときの特徴は大まかに2つあり、
1.表皮の角層と有棘層が厚くなる (表皮の肥厚と角化)
2.表皮と真皮に炎症をおこす細胞が集まってくる(炎症細胞浸潤)
このように1.角化と2.炎症の両方が見られることから乾癬は皮膚科の教科書では炎症性角化症という項目に分類されています。
乾癬にはいくつかの病型がありますが、ここでは最もポピュラーな尋常性乾癬について述べます。これ以外についてはまたの機会にします。
乾癬では境界がはっきりして、少し盛り上がった赤い皮疹が出来ますがこれを紅色局面といいます。
この紅色局面は頭や膝、肘などこすれやすい部分にできやすくこれらの部位を好発部位といいますが、皮疹が出ていない部分でも傷つけたり、掻いたり、こすったりするとその部分に乾癬の皮疹ができ、これはケブネル現象と呼ばれ乾癬を悪化させる原因になります。
この表面には白くてかさかさに乾燥した厚い垢(鱗屑--りんせつと言います。)が付着します。この鱗屑を無理にめくると点状の出血が見られます。これをアウスピッツ現象と呼び乾癬に特徴的な症状です。
病気の勢いが強くなると好発部位以外の全身に赤い斑点がたくさん出てきて、やがてこれらが合体し地図状になります。
かゆみは個人差がありますが、皮疹が悪くなるときにかゆみも強くなる傾向があります。
そして、ここで掻いてしまうとケブネル現象をおこしてさらに乾癬の皮疹は拡がってしまいますので注意が必要です。