最終更新日 98.7.21
大阪乾癬患者友の会会報
−平成11年7月 2号−



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明日を信じよう ゆっくりと     

しかし、着実に動き始めました

HP版は一部会報と異なるところもございます。詳しくは会報をご覧下さい

 も く じ

第一回定例総会の報告です 乾癬相談医&友の会事務局 東山真里

乾癬の症状と治療 乾癬相談医 佐野榮紀

コラム「日光浴について」 乾癬相談医 小阪 博

第一回総会に参加して 豊中市 M・O

第一回総会に参加して 大阪市 S・M

第一回総会に参加した方々の感想文を紹介します A・G 記

友の会総会に思うこと 川西市 N・N

阪大病院ナースチーム 阪大病院東8階病棟 佐藤、堀井、山根

「乾癬の会」で強くなった私 (北海道)乾癬の会事務局長 岡部伸雄

編集後記 編集委員

 

大阪乾癬患者友の会会報 創刊1号 1999.5発行


飛翔、新たなる出逢いを目指して、、、、、、、。
新しい組織が関西に、熱い期待を担って今誕生しました。

発行 大阪乾癬患者友の会事務局
日生病院皮膚科事務室内
編集 準備委員有志


第一回定例総会の報告です
皆さんこんにちは、如何おすごしですか?お身体の方はどうでしょうか、

 去る、五月二十九日(土)に大阪乾癬患者友の会の第一回定例総会が、午後二時より開催されました。 広大な千里丘陵にある大阪大学医学部診療棟と大阪モノレール駅舎は遠くからでも遠望できる景観ですが、参加者のみなさんは迷わず、開催場所の講義棟にたどりつけたでしょうか?。 当日はお天気もよく、患者さんとそのご家族、医療スタッフを含めて、六十名あまりが参集しました。インターネットホームページを見ての参加でしょうか、近畿圏のみならず東京、埼玉、中部、四国とはるばる遠方より来阪され、その期待の大きさに友の会役員一同身の引き締まる思いを致しました。 総会は友の会事務局東山真里より友の会の現状と今後の活動予定につき、報告を致しました。

 

 下記、詳細をまとめます。

現在会員数は本日入会者を含め八十名です。
 阪大病院、日生病院関係がおのおの3分の1を占め、残りが、それ以外の入会者で、インターネットやファックスによる申込みでした。 また、今後の活動予定では本年九月五日の京都で開催予定の「日本乾癬学会に引き続き開催される乾癬学習懇談会に参加し、交流を深めることが当面の予定です。 機関紙「Psoria News」が創刊されましたが、会報の編集や総会の運営に、より多くの会員の参加と協力が必要であることを痛感しました。 会場で、世話役を務めて頂く方を募ったところ、こころよく数名の方が名乗りでられ、役員一同本当に心強く思いました。 会員数が増えるにつれ、運営の仕事もますます増えることが予想されますので、会報の読者で、協力してもよいとお考えの方は是非事務局にご連絡下さい。お待ち申しております。 次にインターネットを通じた会員間のコミュニケーションをはかる場として、「会員間メーリングリスト」を実施することを提案、了承されました。 これは、インターネットを通じて入会された会員間で、ネットを通じて自由に病気についての情報や意見交換を行なう場です。 ネット上で問題になったことや、重要な意見、情報は役員がまとめ、事務局にフィードバックし、会の運営に反映します。 この場所には自由闊達に発言することを主要な目的としていますので、医療スタッフは原則入らないことになっております。 また、会からネット上に公開する内容は機関紙に掲載したものの範囲に留め、インターネット非利用者にも公平に情報が伝わるように配慮します。 続いて、当会役員M氏より「豊富温泉湯治を体験して」の講演、相談医佐野医師より「乾癬の症状と治療について」のスライドを駆使した詳しい講演、佐藤ナースより「乾癬のQOLについてのアンケートの中間報告」と続きいずれも分かりやすく、好評であったようです。 講演後は自由討論に移り、M氏への温泉湯治への質問や佐野医師、吉川教授への治療に関する具体的質問が数件ありました。 質問には、会の運営や活動に関するものはなく、まさに医療情報そのものを求めて参加された方が多くおられたというのが、率直な印象です。 会場の設営など、改善すべき点も少なからずあるなか、初回としては盛会だったと考えております。 最後に、総会準備のために諸役員の皆様、阪大病院皮膚科の方々に大変ご苦労をおかけしました。 あらためて深謝いたします。

友の会事務局  東山真里
日生病院内
大阪市西区立売堀6丁目3番8号
電話 06-6543-3581(159)
FAX 06-6543-3418

 

乾癬の症状と治療

大阪大学医学部皮膚科
医師 佐野榮紀

 

乾癬とはどんな皮膚病?

 皮膚病は実に種類が多く、また患者さんの数も多い。なかでも、湿疹は皮膚科診療所において最も頻度の高い病気です。
 乾癬も戦後、特に増加が著しい皮膚病のひとつであり、現在、皮膚科を受診する総患者数の2〜3%占めるといわれております。
 さて、乾癬はアトピーやかぶれ(接触性皮膚炎)などに代表される湿疹とどう違うのでしょう?
 湿疹はまず、赤いブツブツ(丘疹)水ぶくれ(水疱)あるいは平たい赤い部分(紅斑)ができます。大抵はかゆみを伴い、引っ掻くうちに広がったり、がさがさになったり、じゅくじゅくしたりします。
 慢性化すると、皮疹(=皮膚病変部のこと)が盛り上がったり、かさかさした「あか」のような角質(鱗屑)やかさぶたが付いたりします。 このように、かゆみがあり(睡眠不足を引き起こすほどかゆみの強い患者さんも多い)慢性化すると正常皮膚との境目があいまいになるのが特徴です。
 一方、乾癬は一般的に湿疹ほどにはかゆみは強くなく、(出来はじめや、症状悪化時にはかゆみのある患者さんは多い)乾癬皮疹と正常皮膚の境目がきわめてはっきりしているのが、特徴といえます。
 なによりも、乾癬の形状はたいへん特徴的です。円形や楕円型の盛り上がった赤い部分(紅斑)の上に、白色、あるいは銀白色の角質を付けていて、ときに雲母が剥がれるように、大きくまとまって、ペロリと剥がれ落ちます。これを無理やり剥がすと少し出血したりするのも特徴のひとつです。
 症状が進むと、円形、楕円形の紅斑は数が増えるとともに、互いにひっついて、さらに大きな皮疹となり、ときに周辺から盛り上がった、まるで地図に描いた赤い陸地のように見えます。

 

乾癬は炎症性角化症の代表的な皮膚病です。

 炎症性角化症とは皮膚の真皮部分にある血管が広がり、、リンパ球などの白血球が皮膚に侵入することによっておこる「炎症」と皮膚の表皮(いちばん外側にある薄皮の部分)が分厚くなって角層(かさかさするフケのような部分)も分厚くなる「角化症」が同時に起こってくる皮膚症状をさします。 表皮が分厚くなるのは表皮細胞がとてつもなく速く、分裂増殖するからです。 最近では、乾癬の患者さんのリンパ球に問題があるため、表皮細胞の分裂が速くなり、その結果表皮が分厚くなってしまうのではないか?という説がとなえられています。 つまり、種(リンパ球)に原因があるため、畑(皮膚)に病気が起こるという考えです。
 サイクロスポリンというリンパ球を抑える薬が、乾癬に効くこと、リンパ球を刺激する細菌感染やウイルス感染にともない、乾癬が悪化することなどはこの考え方を裏付けています。 しかしながら、この説だけでは、乾癬の発症全てを説明できないのも事実であり、いまのところ未だ原因説明の決着がついてないというのが本当のところです。

 

発症の原因は不明です。

 遺伝的素因を疑わせる事実もあります。また皮膚のきずが原因となったと思わせる症例もあります。しかし、全ての乾癬患者さんに当てはめる発症の原因は分かっていません。 原因は不明でも乾癬の増悪因子は分かっています。 暴飲暴食、過度の肉体的、精神的ストレス、偏食、風邪をはじめとするいろいろな感染症、ある種の薬などです。

 

乾癬の分類

症状から下記のように分類されています。

1・尋常性乾癬

一般的に乾癬というとこれを指します。

2・関節症性乾癬

乾癬にさまざまな程度の関節炎を伴ったもの。関節リューマチに似ていることもありますが、血液検査ではリューマチ反応は陰性です。 このタイプは最近特に増加傾向にあります。皮膚症状以外に関節炎がつらい患者さんが多く、我々皮膚科医も治療に悩むことが多いのが本音です。 男性に多い傾向にあり、乾癬が悪化すると関節症状も悪化します。問題は乾癬が軽快しても関節症状が軽快しないことがしばしばあることです。

  

3・膿疱性乾癬 掌蹠膿疱症  

尋常性乾癬が悪化し、赤みが出たあとに膿疱(白い、膿のツブツブ)が多数出現するタイプです。高熱がでたり関節痛を伴ったりするのために、入院して、治療する必要があります。尋常性乾癬が先行せずに、最初からこのタイプとして発症することもあります。手のひらや足底だけに限って出現する特殊型を掌蹠膿疱症と呼びます。 掌蹠膿疱症は(溶連菌等の)細菌感染に関連があるようです。特に扁桃腺炎、歯槽膿漏、副鼻腔炎(ちくのう)などに関連があります。 また喫煙者(慢性咽頭炎を起こしやすい)にも多いようです。 歯科金属に対するアレルギーがこの病気の引き金を引くともいわれています。扁桃腺炎などを「細菌の成分に対するアレルギーの引き金」と考えれば、これらを併せて、全て、「口の中のアレルギートラブル」が本症状の誘因ではないか?と疑います。 しかし、それがどうして遠くの皮膚に症状を来すのか全く不明です。

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いずれにせよ、このことは前述した「リンパ球犯人説」を補強しているように見えます。

 

4・ 滴状乾癬
尋常性乾癬の皮疹に比べ、小さめの丘疹がパラパラと全身に出現するタイプです。ちょうど水滴が跳ねたように見えるため、この病名がついています。急性に発症することが多く、掌蹠膿疱症同様、扁桃腺炎などが誘因になることがあります。また尋常性乾癬に移行することもあります。 次に治療方法について述べます。

 

治療法について

乾癬は炎症性角化症の代表的疾患です。炎症と角化症に対する治療法を分けて考えると理解しやすいと思います。

1・皮膚の炎症を抑える

◎ ステロイド外用剤

◎ サイクロスポリン内服薬

◎ メソトレキサート内服薬

◎ 紫外線療法(PUVA.UVB)

2・表皮増殖(角化症)を抑える

◎ ビタミンD外用剤

◎ レチノイド(チガソン)内服薬

◎ 紫外線療法(PUVA.UVB)

3・その他個別の関連症状に対する治療

◎ 非ステロイド系消炎鎮痛剤
 (関節症乾癬の関節炎に対して)

◎ 抗生物質(関連する感染症に対して)

  

このように乾癬の治療法はバラエテイに富んでいます。言い換えれば、これといった完治を約束する決定的な治療法が無いことをも意味します。我々皮膚科医はこれらの選択肢のなかで、症状に合わせた最善と思われるいくつかの組み合わせで治療しています。 どんな薬剤、治療法にも副作用はつきものです。患者さんひとりひとりの症状も異なるし、同じ患者さんでも症状が変化することは多々あります。 病気の性質上、長期戦になることも多く、出来るだけ副作用が少なく、より効果的な治療法を選択することが我々皮膚科医に与えられた任務と考えています。

 

患者さんの心得

乾癬はしつこい病気です。良くなったり悪くなったりの繰り返しで、喜怒哀楽の日常につき合いきれなくなり、もうどうでもイイヤとばかり治療に投げやり的になってしまう患者さんも少なからずいます。 皮膚病は症状が目に見えて明らかで(医者にも患者にも)治療の効果は隠しようありません。時々、患者さんは思い詰めたように

「先生、乾癬は治るのですか?」

と聞きます。

私は「治りますよ」と答えます。

事実、治った患者さんを知っているからです。しかし私は急いでこうも付け加えます。「結果だけを早急に焦ってもしんどいだけですよ。治療に反応してとても良くなることもあるし、同じ治療をしていてもまた悪くなることもあります。それは乾癬そのものの『波(なみ)』があるからで、もしかするとそれは人事の及ばないところかも知れません。しかし、その『波 』の最悪点を浅くすることは出来るんです。それは患者さん自身が乾癬の動きを知ることで、可能となります。治療に反応するときの感触を思い出して下さい。再発してくる時には“何らかの前兆があったはずです。その時ちょっとした努力で、(たとえば、軟膏を一日きっちり2回塗るとか、、。)水際で押し留めることも可能です。

治療目標は、『完全治癒 』ではなく、日常生活で邪魔にならない程度にコントロールできている状態に置くことが現実的でしょう。そのためには定期的な皮膚科受診が絶対必要となります。 また、自分自身の日常生活に乾癬の増悪因子を発見、認識して対応することがとても重要です。 暴飲暴食、過度の肉体的、精神的ストレス、食事のかたより、風邪をはじめとするいろいろの感染症などです。

 

新しい治療法と将来の展望

 皮膚科分野においても、新しい治療法、治療薬が続々開発中です。 特に、乾癬は患者数の増加に伴い、新しい治療法のニーズが最も高い皮膚病のひとつです。前項で私は乾癬の原因は不明で、その病気の動きは人事の及ばないものだと申し上げました。 しかし、それは現在二十世紀の我々がこの病気の本態を「知らない、分からない」だけであり、「無い」ということではありません。 「知らない、分からない」部分はいつの日か必ず科学的に解明されるはずです。これは基礎、臨床研究にたずさわる、我々皮膚科医の最大の使命です。  患者の皆様も世にある非科学的、オカルト、迷信的なものの考えに走ることなく、科学的根拠に基ずく新しい治療法に期待して下さい。 一九六〇年代以降、ステロイド外用剤の開発が数え切れないほどの皮膚病に光明を与えました。目の前の二十一世紀には画期的治療法が開発され、世界中の乾癬の患者さんに大きな恩恵をもたらすことを信じて疑いません。

私の稿を終えるにあたり、皆さんに申し上げます。

   『もう少しお待ち下さい』と

          

 

 

コラム日光浴について」

 恩師の皮膚科学教授が学生であった私達に話されたところによると:尋常性乾癬はヨーロッパに多い病気であること。中でもある民族に多いということ。北欧に住む患者さんは光の満ちている夏に仕事をできるだけして、光の乏しい冬には中東の湖のほとりで日光浴をして過越す。ーというようなことを記憶(古いことなので記憶を修飾してしまっているかもしれない)している。そのため患者さんと日光浴の話をしている折、標高がマイナスで空気が濃く、周りを乾燥した丘に囲まれた塩水湖の畔で、デッキチェアで読書する人たちの幻想が、時々脳裏に浮かびます。

 乾癬相談医 Hiroshi Kosaka
 

 

第一回総会に参加して

豊中市 M・O

 

 若い頃、頭部のフケと鼻が赤くなり、尋常性乾癬であることを知り、はや三十年経ちました。 強い痛みや、かゆみも無いので、個人病院に通いながら過ごしてきましたが、平成十年、顔にまで目立つようになってきましたので、思い切って入院しました。 治療は、点滴、塗り薬、紫外線やレーザー治療を受けました。高血圧症もあり、その治療も並行して受け、三週間で体重が十キロも減り、おどろくほど症状が軽快して退院しました。 しかし、現在また症状が出ています。 今年の五月、主治医の先生が転勤になり、阪大病院の紹介を受け、そこで「友の会」の存在を知り、第一回定例総会に参加致しました。 完全治療は難しい難病とは聞いていましたが、皆さまの体験や、ご意見をうかがい、乾癬独特の苦しみや、悩みを分かち合える場であることが分かり非常によろこんでおります。 さいわい、定年退職をして時間は十分ありますので、会のお手伝いをさせて頂くことを申し出ました。

今後とも、世話役の一人として

よろしくお願い申しあげます。

  

 

 

第一回総会に参加して

大阪市 S・M

 

 乾癬の最初は、頭がかゆいので掻くと出血しました。おかしいなと思い、早速近くの総合病院で診察を受けましたが、病名をいくら尋ねても教えてもらえません。説明のないまま塗り薬や頭につけるローションをいただき、約一ヶ月ほど不安のまま通院しておりました。 たまたま通う近くのお風呂屋さんで、知らない奥さんに声をかけられ、親切に皮膚科専門医院を紹介してもらいました。そこで診察を受け尋常性乾癬と診断されました。わからないまま先生から、二年や三年で治る病気でないことを知らされ大きなショックを受け、お先真っ暗になった気持ちを今でも忘れません。 「この病気で死ぬことはないので、気長につき合わな、しょうないなア」ともいわれ、半年ほどで取り敢えず見た目にきれいになりましたが、以後この先生から阪大病院を紹介され、吉川先生の診察を受け、はや十年が過ぎました。 このたび、友の会の話を聞き、早速入会させて頂くことになりました。会員の皆さまと親しくお話をし、治療の情報を通して日々の生活にプラスになればと願っております。

 

  

第一回総会に参加した方々の

感想文を紹介します

 まず一番多かったのは佐野先生の「乾癬の症状と治療について」のお話に関してのもので、◎たいへん解りやすく良かった。◎自分や家族の人の病気をじっくり考える良い機会になった。という意見が多数を占めましたが、中には◎基礎的な知識は十分勉強しているので、もっと最新の情報が欲しかった。という意見もあり、この病気との長い付き合いが想像される療養者の切実な思いがにじみ出ているご意見でした。また、M氏の「豊富温泉湯治を体験して」にも多くの人が関心をもたれ、◎近くにそんな温泉がないか?◎乾癬に効く温泉が他にもあれば教えて欲しい。という要望も寄せられました。その他◎乾癬専門医師に質問できて良かった。◎今後診てもらえる機会が欲しい。という意見もありました。また、◎同じ病気の仲間が大勢いてよかった。◎一緒に話し合い情報を交換しましょう。という意見も多くありました。◎気軽に参加できるように会にニックネームをつけませんか?というようなユニークなご提案もありました。

感想文を寄せて下さった皆さま方

まことにありがとうございました。

A・G 記  

 

 

友の会総会に思うこと

川西市 N・N

 諸役員や先生方のご尽力により総会は滞りなく、おわりました。 懐かしい階段教室の椅子に座って、まだ乾癬を知らなかった、若き日を思い出しておりました。 会場には、出席者のみなさんの真剣なお気持ちが張りつめられ、和やかな雰囲気には至りませんでした。佐野先生講演の大型スライドの重症患者の生々しい写真や、原因は 『 不明 』という拡大された大文字に会場はシーンと静まりかえった気配でございます。いつの日か『完全治癒』の大文字のスライドを見たいものと参加した誰でもが思った瞬間でございました。 世に難病は多く、生物としての宿命を感じますが、精神力を与えられた人間として、病に立ち向かう強さと、病と上手につき合うゆとりを持つこと、そんな助けに友の会がなることを願っております。
 個々の、患者さんの悩みや感想を拝見させて頂いても、結論はただひとつ『治癒 』のみにあることは明白でございますが、「週間文春」に書かれたアトピービジネスは患者の悩みにつけ込んだお金にからむビジネスだそうで、私たちは病に対する正しい知識を得なければならないと痛感した次第でございます。友の会を勉強のステップとすることも大事なことと思われました。 

「赤信号みなで渡れば怖くない」とたとえはわるいですが、「居座れる乾癬なんぞこわくない」を合い言葉に友の会発展をいのりましょう。微力ではございますが、世話人の末席のひとりとして、皆さまとのご縁を大切にして行きたいと思っております。 ひとりでの悩みは大きいですが、皆で分かち合えば、小さくなるものです。私も世話人の方々とお話しをしていると、皆さまの努力が拝察され、病に負けない強さが芽生えくるようなそんな思いをいたします。 最期になりましたが、感想文の中に若い人が少なくて寂しいというようなご意見を拝見し、今後の一課題として乾癬に悩める若人に、入会をおすすめする方法に心を配るべきだと痛感いたしました。

   

阪大病院ナースチーム

東8階病棟
佐藤 堀井 山根 

 大阪乾癬患者友の会設立にあたり、皆さまが日頃、乾癬とともに生活を送られる中での悩みや苦労を率直に伺うことで、今後の会の運営、ならびに治療と看護に生かしたいと考え、アンケートを実施させて頂きました。 紙面の都合上、一部抜粋の形で中間結果報告をさせて頂きます。  回収人数は、五月十五日現在、男性二十九名、女性二十一名の計五十名でした。回収の方法は、受診先の外来に手渡して頂いたり、郵送やインターネットの形で頂いたりしております。

アンケートの結果の内容について、AからCと項目を分けました中、まずAでは皆さま自身の治療や皮膚のケアの方法など具体的に聞かせて頂きましたが、皮膚の手入れはその必要性から、一日一回は入浴し、きっちりと塗り薬を塗っている方が殆どでした。

 石鹸の使用に関しては刺激の少ないベビー石鹸や米ぬか石鹸、よもぎ石鹸など、自分の皮膚に合ったものを工夫して使用されていることがよく表れていました。その反面「してはならないと思いつつ」そのかゆみからこすってかさぶたを落としてしまう、という方も若干名見られました。 塗り薬についてはステロイドを使用されている方がほとんどの中ステロイドの名前をきっちり知っておられる方が多く、自分の治療に対する関心の高さが表れていました。 今回の皆さまの病歴はなんと五十年から平均十二,八年と長く、病歴の長い中での状態の良い時期、悪い時期が繰り返し表れることをご自分で認識されているのだと考えられました。 悪化しない工夫として、規則正しい生活、禁煙、入浴を欠かさず、塗り薬を塗ること、ストレスを避けるなど一般的によいといわれるものを積極的に取り入れ、自分の体調を整えている方が多く見られました。効果があるにも個人差があるため、病歴の長い中でご自分に適するものを探しておられるのだと考えられました。 次にBの乾癬に関する現在のお気持ちをお聞きしたところでは、乾癬があるために一番つらいことは何ですか?について見た目という外観をあげる人が男女差なく最も多く、ふけ、かゆみと続き、心身の苦痛をあげられる方が多くありました。また、反面、軟膏を塗るのが面倒という回答も多くありましたが、先ほどのAで述べましたように、皮膚の手入れの必要性から実際はきっちりと塗られていることがわかりました。その他として、かさぶたの掃除、衣類が汚れる、温泉、海水浴での人の目や、旅行の時の入浴、偏見など深刻な意見が寄せられました。 日常生活で避けていることは何ですか?については、水泳、海水浴と温泉、銭湯は半数以上でした。その他の意見として、半袖、半ズボンの衣類、集団検診や第三者との旅行、裸になれない。など深刻な意見がありました。反面、旅行には気にしないで行くなど、意見はなかにはありましたが、病状が、日常生活に大きく影響していることが感じられました。 いろいろな悩み事は周りの人々に乾癬についての正しい知識を広めることで、よくなると思いますか?については、男女差なく、はいは76%に及び、広めていきたいという気持ちは今回の患者会の設立の大きな原動力といえると思います。 次に、乾癬についての知識をどこから得ていますか?については、医師が72%と圧倒的であり、他、雑誌や本、インターネットや他の患者さんというのも多くあげられました。私たちナースも、気軽に声を掛けていただき、ともに勉強して行きたいと思います。 続いてCの患者会についてお聞きしたところでは、大阪乾癬患者友の会をどのような場と考えられますか?という問いに対し、情報を得る場として会をすすめていきたいと考える方が三十五名で、その中でも最新の医療情報や体験談を希望される方が多くおられました。今後、回を重ねる度に話し合い、心の支えとなる場と考える方が増えていくことと思います。 次に医療者に望むことはなんですか?については、現時点では情報の提供を求められている方がほとんどでした。しかし、会の運営に関しての結果は、患者さんが中心となって、お互いを高め合っていくという友の会の会則と一致する傾向が表れています。

 以上のようなアンケート結果の中間報告となりました。

 アンケートへのご協力ありがとうございました。

 「乾癬の会」で強くなった私

 

「乾癬の会」で強くなった私

北海道乾癬の会事務局長 岡部伸雄

いつのまにできたのだろう! 身体中に赤い斑点この白ぃ粉はなんだろう それにしてもかゆい「乾癬」と名づけられた 聴いたこともなかった病気だ。それから独りの生活が始まった 人をさけ海水浴も慰安会も事情を作って断りいくら暑い日であっても 薄着をする事がなくなった。顔や手の見えるところまでも広がってきた驚きに変化する相手の眼におびえながらの生活やり場のない憤懣を酒に紛らわせればさらに悪くなる乾癬何年も何回も入退院の繰り返しが続く・・なぜじぶんだけがこんなおもいを・・!

1992年乾癬の会ができ 思いを話す場ができた。乾癬学会パネルディスカッションに参加して原因究明や完治を目指す医者やコメディカルの姿を発見し医学の科学的進歩に 希望の未来を見出す事ができた。新しい薬や豊富温泉効果の例がたくさんの患者によって確かめられ 検証されている。癒し難く難病といえる乾癬―その現実を率直に受け入れ真の原因が明らかにされ 治癒するときが来る事を信じよう。待つのではなく 自分たちの手でつかもう。日本中 世界中の患者と大きな輪を作って歩もう。

 

編集後記

 二号は予想外に原稿がたくさん集まりました。メーリングリストの詳細や、豊富温泉の詳細は次号掲載いたします。悪しからずご了承下さい。また掲載希望記事などありましたら、事務局まで御一報ください。次号の医療情報については、一歩踏み込んだ内容で、より具体的な治療法を先生方に提示して頂きます。ご期待下さい。     

編集委員