第100回近畿皮膚科集談会開催にあたって
(第402回日本皮膚科学会大阪地方会/第401回日本皮膚科学会京滋地方会)
近畿皮膚科集談会は、昭和2年に開催されて以来、戦前は年2回、戦後は年1回のペースで定期的に開催されてきた約80年の歴史を持つ伝統ある学会です。今回、この学会の節目とも言うべき第100回の主催を任されたことを、誠に光栄に存じます。
今年は、7月29日に、第98回と同様、大阪国際会議場にて開催することになりました。特別講演は、大阪大学微生物研究所教授の審良静男先生にお願いしました。先生のご専門は自然免疫の分野ですが、皮膚と免疫は非常に密接な関係にあり皮膚科医にとっても有益なお話を拝聴することができると思います。先生は、単に日本の免疫学のトップというに留まらず、世界の医学界におけるトップランナーのお一人です。今回、この会にお招きできたことは、会頭として誇りに思うとともに、会員の皆様にとって意義ある講演になることを確信しています。
さらに、ランチョンセミナーとして、萬有製薬に御協賛をいただき、「脱毛」をテーマに、大阪大学皮膚・毛髪再生医学講座教授の板見智先生と同講座助教授の乾重樹先生にご講演を頂くことになっており、脱毛症や再生医学に関する基礎および最新の知見を学ぶとともに、昼食時に会場から遠く離れなくてもよいように配慮させていただきました。(ただし、先着順の予定)
なお、今回も、インターネットのホームページより演題募集をおこない、発表もスライド映写ではなく、パソコン(Windowsのみ)でのプレゼンテーションに限らせていただくことになりました。2年前には、まだ皮膚科の学会としては、珍しい試みでしたが、いまや、ほとんど常識的になってしまいました。しかし、今春Windowsの新OSの発売もあり、混乱が起こらなければよいがと願っています。
ところで、今回から近畿皮膚科集談会は、大阪地方会と京滋地方会の共同開催の形を取らせていただくことになりました。もともと、大阪2回、京都1回のペースで、交互開催されてきましたが、運営は各回ごとの独自運営でしたので、設立母体がやや脆弱でした。今回から、名実ともに、大阪地方会と京滋地方会の共催の形を取り、本会の基盤の安定が図られたことは、今後150回、200回へと更なる歴史を積み重ねる上で、重要な改革だと考えています。ご英断いただいた、両運営委員会の委員長並びに委員の先生の御支援に感謝するとともに、歴代会頭ならびに世話人会の先生方の労をねぎらいたいと思います。
最後に、せっかくの日曜日を有意義にお過ごしいただけますよう、多数の先生方のご参加をお待ち申し上げるとともに、活発な発表、熱心な討論を期待しております。
第100回近畿皮膚科集談会会頭 大阪労災病院皮膚科 土居敏明
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