第100回近畿皮膚科集談会ランチョンセミナー
「円形脱毛症の病態と治療」
大阪大学大学院医学系研究科
皮膚・毛髪再生医学(アデランス)寄附講座
教授 板見 智 先生
古来より頭髪は個人の尊厳、人格を表すとの考えが強く、円形脱毛症に
罹患した患者の喪失感、QOLの低下は著しいものがある。Life-threateningではないがlife-altering
diseaseと称されるのはこ
のためである。生涯における罹患リスクは約2%と報告されているポピュラーな疾患で、約20%に家族内発症があり、10%の人が全頭型や汎発型になるといわれている。この病型は現在ではTリンパ球が毛器官の自己抗原を認識して攻撃する自己免疫疾患であると考えられている。素因に基づいて発症する慢性再発性疾患であるため、脱毛に悩む人達はともすれば科学的根拠のないエステや育毛サロンなどの悪質なビジネスの被害者となり社会問題となっている。今回はステロイドパルス療法と局所免疫療法について紹介する。
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共催:万有製薬株式会社
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