最終更新日 2000.11.7

大阪乾癬患者友の会 会報

−平成12年10月6号−


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私には夢がある・・・何時の日にか
乾癬と決別する日がある時を その夢を捨てない

HP版は一部会報と異なるところもございます。詳しくは会報をご覧下さい

 

バックナンバー
  会報   5号 2000.7発行
  会報   4号 2000.4発行
  会報   3号 1999.12発行
  会報   2号 1999.7発行
  会報 創刊1号 1999.5発行

 も く じ

全国患者会福島へ集う
乾癬学習懇談会in福島
乾癬と日常生活
佐藤先生へのQ&A
21世紀の乾癬治療 免疫・炎症の側面から
21世紀の感染治療 細胞の増殖・分化の側面から
活性型ビタミンD3軟膏による combinationおよびsequential治療の展望
福島乾癬学会参加記
ステロイドを考察する
豊富温泉湯治ツアーに参加して
わたしの素顔
第3回定例総会アンケート報告
お知らせ
入会申し込み
第四回定例総会開催
編集後記

飛翔、新たなる出逢いを目指して、、、、、、、。
新しい組織が関西に、熱い期待を担って今誕生しました。

発行 大阪乾癬患者友の会
日生病院皮膚科事務室内
編集 友の会編集委員


 全国患者会福島へ集う


皆さん今日は。
暑かったですね今年の夏は。乾癬は暑い夏に増悪する人と乾燥する冬場に増悪する人があるようですが、あなたはどちらですか?
 さる九月八日(金)、九日(土)福島市内、福島勤労者総合福祉センター「福島テルサ」において、第十五回日本乾癬学会学術大会が、開催されました。二日間にわたる大会に並行する形で、会館内において北海道の「乾癬の会」、三重県乾癬の会、茨城乾癬の会、大阪乾癬患者友の会の四道府県共催による「乾癬患者コーナー」を併設し、八日は午前九時より午後五時迄、九日は午前九時から正午まで、乾癬患者会の活動を紹介し、医師や医療関係者の理解を深めるアピールを行いました。
 大阪乾癬患者友の会としては会報第5号を四〇〇部程度用意し、参加医師や医療関係者に配布しました。
 四道府県を紹介する大型パネルは本年はロビー入り口に配置されるという好条件に恵まれ、多くの先生方が立ち止まり熱心に読まれていました。中には某製薬会社のネームプレートをされた方が詳細にメモっておられたのが印象的でした。
 
 

 乾癬学習懇談会in福島


九日午後一時三十分より、大阪乾癬患者友の会の岡田書記による総合司会で学習会は始まりました。
 全国乾癬患者会を代表して、北海道の「乾癬の会」会長梁田剛氏からこのような立派の会場をご提供頂いた日本乾癬学会の関係者の皆さまにお礼を申しあげるとともに、全国乾癬患者会がより強固に連帯して活動していく旨の挨拶があり、岡田氏より今回は緒事情で欠席された三重県乾癬の会よりのメッセージの紹介がありました。
 患者会が拠点をもたない福島での開催にどの程度の参加者があるか見込まれない中、参加総数は四十六名を数えました。多いか少ないか評価が分かれるところでありますが、地方の開催におけるPR活動に今後課題を残しました。
 途中、第十五回日本乾癬学会学術大会の会長であります福島県立医科大学皮膚科教授金子史男先生からお忙しい中ご来場の上ご挨拶を頂きました。
今回も日本乾癬学会理事長近畿大学医学部教授手塚正先生からご挨拶を頂き来年の千葉県幕張での第十六回日本
乾癬学会千葉学術大会にも乾癬学習懇談会の併設をお約束頂き、患者会役員一同感激致しました。こうした諸先生方のご好意に報いるためにも来年は是非とも多数の参加者があらんこと祈るばかりです。
さらに大阪大学医学部教授吉川邦彦先生、北海道大学医学部川嶋利端先生、札幌社会保険総合病院皮膚科医長安田秀美先生、福島県立医科大学の皆川先生、山口先生、東條先生、金子先生、岡部先生をはじめ北海道の「乾癬の会」相談医小林皮膚科クリニック院長小林仁先生、当大阪乾癬患者友の会事務局長東山真里先生という気鋭の先生方を迎え、学習会も佳境に入りました。
***************
今回の学習講演会は社会保険福島二本松病院皮膚科医長佐藤守弘先生の演題「乾癬と日常生活」というテーマでスライドをまじえご講演をいただきました。佐藤先生はご自身が尋常性乾癬に罹患されており、さらに関節炎も併発されているという、まさに我らの仲間そのものというユニークな立場の皮膚科医師でおられます。年齢は三十九歳、丁度二十五歳の医師になりたての頃に発症されたそうです。
今回はそういったご自身の体験から、各種治療方法というより日常のストレスこそが皮膚症状の悪化をうながしているという長年の病歴の視点から今回の講演内容を組み立てられました。
 尚、本講演内容は先生のプライベートなご家族との会話を含めて本誌に掲載(注:HP版は一部割愛)することを快諾して頂きました。
 
 

 乾癬と日常生活


社会保険福島二本松病院
    皮膚科医長 佐藤守弘
 
** はじめにー略ー **
<佐藤先生の講演の詳細は会報第6号に記載されています>
日ごろ受けている人間関係を含めたいろいろなストレスが皮疹を悪化させているのは皆さん自身が敏感に感じていられることでしょう。そうしたことを踏まえて私自身が振り返って、日常の皮疹の状態が良くなる時期と悪くなる時期を思い起こしてみました。
 
 皮疹の状態の良いとき
◎ 夏(紫外線)
◎ 休日(リラックス)
◎ 規則正しい生活が続く
◎ 気持ちの穏やかな時
 
 皮疹の状態の悪いとき
● 冬(乾燥)
● 当直日(あくる日仕事あり)
● 診療その他忙しい時
● 付き合い(深酒の翌日)
● 風邪をひいたとき
● 気持ちが不安定なとき
 
こうしたストレスを避ける日常生活の諸注意を今から申しあげますので、ご参考になればと思います。
 
常日頃こんなことに気をつけましょう。
@ 日光浴をしましょう。
A 風邪をひかないようにしましょう。
B 入浴を欠かさないようにしましょう。
C 睡眠を充分とるようにしましょう。
D 皮疹を掻かないようにしましょう。
E 食事に注意しましょう。
F 薬に注意しましょう。
G ストレスに注意しましよう。
   **********************
@ 日光浴はなぜよいのですか?
 ・会報第4号キーワード
 「日光浴について」をご参照下さい。
 
A 風邪をひいたときどうして皮膚の状態が悪くなるのでしょうか?
   
  機序の考え方の一つとして
 
・細菌などの感染
   ↓
・ストレス蛋白の産生
   ↓
 ・免疫反応の亢進
   ↓
結果 乾癬の皮疹の悪化
 
B 以前には、入浴は出来るだけ、避けるようにという医師の指導もあったようですが、現在は毎日入浴しても構わないというのが、我々の見解です。皮膚の汚れを落とすことは大切です。リラックス効果も、見逃すことは出来ません。入浴石鹸は洗った後に乾燥し過ぎないものを選ぶ必要はあります。また皮疹をこすり過ぎないようにすることは大切です。
 
C 睡眠を充分とることは皮疹の状態を良好にします。
 
D 痒みの伴う症状の人は知らず知らず皮疹を掻きます。掻いたところはさらに悪化して皮疹を拡大させます(ケブネル現象)
 
E 基本的には厳密な食事制限は不要ですが、食事は肉類など脂濃いものは避けるようにと担当医などに言われませんでしたか?同じ肉蛋白なら魚がお勧めです。特にいわしのようなEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)を含む魚を食することは乾癬によいといわれています。また飲酒は乾癬の増悪因子であるというのは多くの医師や患者が感じていることです。ほどほどにしましよう。
 
F どのような薬を注意すればいいのでしょうか?
・ βブロッカー・β遮断剤(降圧剤)
   インデラル(ゼネカ薬品)等
・ アンジオテンシン変換酵素阻害剤
   カプトリル(三共)
   レニベース(萬有)等
・ リチウム(躁病薬)
   リーマス(大正)等
・ 非ステロイド消炎剤
   インダシン(萬有)等
・ ジゴキシン(強心剤)
   ジゴキシン(山之内)等
・ テトラサイクリン(抗生剤)
   アクロマシシン(レダリー)等
・ インターフェロン
・ クロロキン(抗マラリヤ剤)
右記のような薬を処方されている人は注意が必要です。主治医とよく相談してご使用下さい。
 
G ストレスがなぜ皮疹を悪化させるのですか?
 
機序の考え方の一つとして
 
・ストレス
   ↓
・神経の末端から神経ペプチド産生
   ↓
・炎症反応、かゆみ増す
   ↓
結果 乾癬の皮疹の悪化
     
** 終わりにー略ー **
<佐藤先生の講演の詳細は会報第6号に記載されています>
 
 

 佐藤先生へのQ&A


佐藤先生へのQ&A
Q佐藤先生はドボネックスをお使いでしょうか?
Aドボネックスは早速使ってみました。ヒリヒリ感や乾癬とはちがう妙なかゆみがあり、塗布した周囲に炎症がおきました。残念ながら私には合いませんでした。
Qでは佐藤先生は外用薬にどのようなものをお使いですか?
A従来から、ビタミンD3軟膏ボンアルファとステロイドを組み合わせて使っています。
Q先生ご自身ステロイドは何をお使いでしょうか?良ければ教えて下さい。
A今はテクスメテン(吉草酸ジフルコルトロン)日本ロシュを使っています。
 
  相談医の先生方へのQ&A
Q赤十字で献血しょうとしましたら、乾癬患者は断られる。というようなことを効きました。本当でしょうか?
A残念ながら、事実です。乾癬患者のうち十人にひとりくらいはチガソンという薬を飲んでいます。この薬は催奇性があり、こうした薬を飲んでる人の血液が一般の人に輸血されることを防止するために乾癬患者の献血はご遠慮くださいというのが趣旨らしいです。医学的にはチガソンを服用していなければ健常人となんら変わらない血液とのことですが、ただ患者側にチガソンを知らずに服用している人もあり、その見極めが難しいというのが、赤十字側の言い分です。
 
Q乾癬の遺伝的な面では現在どのようにとらえられているのでしょうか?
A体質が遺伝するという見方からは、親から子へということがありますが、乾癬が遺伝する病気であるということでは現在はそのようにとらえられていません。
 ただ、日本乾癬学会で行なわれている調査では7〜8%の確率で患者家族に乾癬の発症がみられるということがあります。
 ヨーロッパの例では両親のどちらか
に乾癬があると子供に十パーセントの確率で乾癬が発症するという調査報告があります。
 
Qアルコールを飲む時に控えたほうがよい薬を教えて下さい。
A先生方「エー::::::」
 司会「糖尿病だけど、糖尿病に良い羊羹(ヨウカン)はないですか?という質問に似ていますが:::」
A先生「その通りです。薬もアルコールも肝臓で解毒します。肝臓の負担を強いることになりますが:::」
A関節症乾癬では重症の方にメトトレキセートという薬を使用しますが、このときは厳重にアルコールは禁止されます。その他の薬については飲まないとストレスも溜まるだろうし、ほどほどにということですね。
 
Q豊富温泉ツアーでも話題になったのですが、カンセンというネーミングは感染すると同音で、私達乾癬患者にいうに言われぬイヤなひびきの病名ととらえる患者さんが多いです。名前を変えればいいと言う問題でもないですが、何かかわいらしい病名に変えることは出来ませんか?
A乾癬という病名はわれ々の大先輩がつけた病名で、病名変更というのはおいそれと出来ない大変難しい面が
あります。一度乾癬学会の理事会でも話題にしますが、うーん大変難しい:良いアイデアが::::。
 
続いて小林仁先生
A乾癬というネーミングはたかだか百年の歴史です。すぐ替えられます。(笑)
 皮膚病に尋常性白斑(ハクハン)という病名があります。
ひびきがよいネーミングですね。先日北海道「乾癬の会」で提案があったのですが、乾癬は赤い斑(ハン)が出るものですから、
尋常性赤斑:セキハン:というのはどうでしょうか?
赤飯??? (場内爆笑) 
 
 

 21世紀の乾癬治療
   免疫・炎症の側面から


東北大学医学部 教授  
          田上八朗
 
 乾癬罹患率は白人においては五〇人に一人であり、日本人においても生活様式の欧米化にともない増えつつある。多分、白人ほどにはならないとしても、二十一世紀にどれだけの頻度になりうるか、予想がつかない。
 二十世紀における本症の治療は、その発症機序の解析からよりも、経験的に有効性が見出された。そして、有効性機序の解析から、逆に本症の発症機序が解明されてきた。現在の時点では、乾癬は自己反応性Tリンパ球が中心になって生じる自己免疫疾患、多因子性の免疫遺伝病としてとらえられている。すなわち本人のもつ素因にその生活環境からの影響が加わって発症する疾患である。
 これまで、局所的にはステロイド外用剤、PUVA、narrow band UVB、ビタミンD3、レチノイド、全身的にはメソトレキセート、エトレチナート、シクロスポリン内服など、いずれも検討していくと、免疫反応の調節に働く治療法がおこなわれてきた。 
 これらをもとに、最近では治療への反応性の低下と副作用軽減を考慮し
数ヶ月使用した場合には、別の方法に変えて行くというrotation therapy(ローテーション・セラピー)が推奨されつつある。 
 今後、二十一世紀には、発症機序から免疫担当細胞や炎症担当細胞の反応の調節、各細胞内での遺伝子の発現の調節にもとずく治療法が加わり、より有効かつ副作用の発現の少ない治療法が求められてゆくであろう。遺伝的背景や増悪因子の解明からは、家族的な予防的措置も考慮されうることであろう。
第十五回日本乾癬学会学術大会
ランチョンセミナー@より
 

 21世紀の感染治療
   細胞の増殖・分化の側面から


大阪大学医学部 教授  
          吉川邦彦
 
乾癬は慢性炎症と角化異常を示す炎症性角化症群の代表的疾患である。皮疹の他の炎症にない特徴をもたらすのは角化細胞の著名な増殖亢進と毛細血管の増生である。
メトトレキサート、PUBA、レチノイド、ビタミンD3など細胞の増殖、分化に直接作用し、一般の慢性炎症にはさほど効果的でない治療の有効性は、乾癬病態形成における角化細胞や内皮細胞の活性化・増殖亢進の重要性を示唆する。従って、この面から乾癬をコントロールする治療法は、二十一世紀にも改良、開発の努力が続けられるに違いない。
 光線療法ではnarrow bandUVB
やUVA1が実用化され、効果の増強と副作用軽減に役立つであろう。DNAと反応しない光感作物質と可視光線の組み合わせによる療法も登場するのではないか。
 レチノイドや活性型ビタミンD3製剤にも新たな製剤が登場するであろうが、二十一世紀初頭の外用剤の主役はカルシポトリオールであろう。他の治療法との組み合わせにより副作用をより軽減させた治療の進歩が期待される。
 細胞の増殖・分化の調節機構は引き続き精力的に研究され、臨床応用可能な制御因子が見出せればビタミンAやビタミンDに次ぐ新しい治療薬も夢ではない。遺伝的解析も進み、二十一世紀中には乾癬の遺伝的本質が明らかになるであろう。
 それが乾癬の決定的な治療に結びつくか否か、どのような治療であるかは予想は困難である。
  第十五回日本乾癬学会学術大会
     ランチョンセミナーAより
 
 

 活性型ビタミンD3軟膏による
  combinationおよびsequential治療の展望


自治医科大学皮膚科
          中川秀己
 
 活性型ビタミンD3の外用薬は本邦では2マイクログラムのタカルシトール(ボンアルファ軟膏・クリーム・ローション)が主体として使用されてきたが、より効果の高い50マイクログラムのカルシポトリオール軟膏(ドボネックス)が加わり、さらに近いうちに25マイクログラムのマクサカルシトール軟膏、20マイクログラムのタカルシトール軟膏と効果の高いビタミンD3外用薬も導入される予定である。
 濃度の高いビタミンD3外用薬は乾癬病変部に対して、速やかに効果を発揮するものの、皮膚刺激性の問題や外用量が多くなった際の血清カルシウム値の上昇などの問題があり、顔面皮疹には使用できず。外用量にも制限がある。ボンアルファはそれらの問題はないものの、効果は緩徐である。
 これら製剤による効果の特徴と剤型に加え、患者の皮疹の重症度、コンプライアンスを考慮して、ビタミンD3外用薬の安全性を考慮しつつ、その効果を最大に引き出すためのcombination治療およびsequential治療をどのように行なうべきかにつき、今までの臨床データを考えてみたい。また、シクロスポリンなどとの併用療法についても述べてみたい。
 
第十五回日本乾癬学会学術大会 
    ランチョンセミナーBより

ランチョンセミナーって何?Luncheon Seminar
一年でたった2日間で全国の医師が研究発表、セミナーなどに参加するのは時間が限られています。そこで、昼休みも返上で昼食(ランチ)を頂きながら(ちなみに今回はサンドイッチとパックテイーでした)講演を聞いたりするのです。学会って結構大変ですね。

今回の乾癬学会の昼休みには私ども、患者会のメンバーも二日間に渡りランチョンセミナーのサンドイッチを戴きました。ロビーでいただきながら何だかランチョンセミナーに参加したような気になって、午後からのPR活動に熱が入ったことは言うまでもありません。
福島乾癬学会参加記 岡田
 
 

福島乾癬学会参加記


九月の八、九日の二日間日本乾癬学会学術大会に参加させていただきました。このような機会を与えていただいて感謝しております。
参加された患者さん全てが的確な情報に飢えており、このような会の存在と活動が大事であると言うことを痛感しました。
 会の前半(八日全日と九日午前中)は医療関係者の参加される乾癬学会学術大会であり、その時には患者会のコーナーで北海道「乾癬の会」代表の方と参加の先生方や医療関係者にパネルと会報配布による宣伝活動を行いました。
後半(九日午後)は全国の患者会共催による学習懇談会でした。東北地方の福島市という場所での開催にもかかわらず三重県から岩手県の患者さんまでが一同に会しての非常に有意義な会でした。また北海道と茨城乾癬の会代表の方とお会いできたのも大きな収穫でした。
 私は学習懇談会の総合司会を命じられましたが、そのお陰で会の内容を全て聞くことができ、また医師の先生方ともお話しすることができて自分自身勉強になりました。
 学習懇談会の中身では特に講師の佐藤先生のご講演は先生自身が乾癬患者であることから、他の医師からは聞けないような貴重な内容が多く感銘を受けました。
医師の立場から生活に関しての制約条件を付けることは簡単でも、実際に生活する生身の人間としては結構難しいとも多いわけです。そのあたりの兼ね合いをどうしたらよいかというヒントをいただいたような気がしました。
 また参加者の皆さんと会話した印象としては日常皆さんがいろいろ悩み試行錯誤をされていると言うことを実感いたしました。
私自身もつい最近まで入院する予定でいましたが、幸いにドボネックス軟膏のお陰で入院せずにすみました。入院を勧められたときの私の症状はかなりひどいものだと思っていましたが、他の方の話をいろいろ聞いてみるとかなり軽い方だったみたいです。私のように外用薬だけで対処しているのはまだまだましな方と痛感しました。
 友の会入会のおかげで多くの乾癬に関する情報が入手できるようになりました。遠い福島の会に参加して、大阪の患者会が身近にあって参加できるのは自分にとって幸いなことだと実感しました。
東山先生や大阪大学医学部付属病院の諸先生方に感謝いたします。また大阪、三重、茨城、北海道以外の場所にも患者の会ができることを望まないといけないですね。とりあえず微力ながら大阪の会の発展にお手伝いを続けていこうと思っております。
 
 

 ステロイドを考察する


上段掲載グラフ(参照データ)は今年の日本乾癬学会で発表された2000年度の新規登録患者統計から引用したものです。
 乾癬にどんな種類の全身療法や、局所療法がされているかを示しています。
 局所療法ではステロイドが80%、ビタミンD3が30〜40%と累計に比べてビタミンD3の割合が増えていますが、ステロイドが外用治療法の重要な位置を占めていることに変わりありません。このコーナーではステロイド剤はどんなものか、乾癬の治療で使用する時にはどんな注意が必要かを解説し、安心して上手にステロイド剤を使えるように役立てていただければと思います。
 
ステロイドとは何ですか?
 
「ステロイド」というのは本来、腎臓の上にある副腎という臓器から分泌されている糖質ステロイドのことです。その主なものがハイドロコルチゾン(コルチゾール)です。一日の分泌量は約20Jで、プレドニゾロンという合成ステロイド剤に換算すると、約1錠分(5J)に相当します。ステロイド剤というのはこのような「副腎皮質ホルモン」の成分を合成してつくられた薬剤です。
 
ステロイド剤はどのような目的で、またどのような効果を期待して使われるのですか?
 
優れた抗炎症作用や、抗アレルギー作用を持ち、各種の病気(リウマチ、喘息、ネフローゼ、白血病など)に幅広く使われている薬ですが、特にステロイド外用剤は皮膚炎(アトピー性皮膚炎、乾癬、その他皮膚炎)治療に極めて即効性を発揮する薬剤として有名です。
 
いつごろからステロイド剤は使い始められたのですか?
 
一九五二年、ニューヨーク大学付属病院皮膚科マリオン・サルツバーガー(ザルツバージャー)博士により世界で始めて、ステロイド剤を臨床の現場で使い始めました。副腎皮質ホルモンから作られるステロイド剤の劇的な効果に世界の臨床医師達が驚き、競って使い始めたのです。
 
ステロイドはどのような仕組みで炎症を押さえるのですか?
 
 ひとつはアレルギー反応を引き起こす炎症性メデイエータ(プロスタグランジン、ロイコトリエン)の産生を抑制するためと考えられています。
 ふたつには炎症反応に何らかのサイトカイン(情報伝達物質)が関与していると推測されていますが、このサイトカインの産生をステロイドが抑制しているのです。
 
外用ステロイド剤の強い弱いは何ですか?
 
 日本では作用の強さを便宜上、最強(沍Q)、次強(群)、強(。群)、マイルド(穏やか)「群、弱(」群)迄5段階の区分けをして症状や身体の部位、年齢など勘案して医師が使い分けています。 患者さん自身がステロイドの強さを把握しておくことは、副作用を軽減するためにも極めて重要です。会報第5号7ページ(50音順)を参照して自己の使用ステロイド剤の強さを確認しておいて下さい。
 
強い弱いは何で区別されているのですか?
 
 ステロイド剤の薬効、主に血管収縮指数(蒼白化能)による分類がされています。会報第5号8ページをご参照下さい。しかしその強弱は厳密に区別されている訳ではありません。ステロ
イド剤解説書によっては6段階に分かれていたり、強弱のランク表示に若干違いがあるようです。ちなみに米国では7段階の分類がされているということです。
 
ステロイド外用剤の形態はどのようなものがありますか?
 
軟膏や、クリーム、ローション、スプレー、テープなどの剤型があります。
 
剤型による使い方について説明してください。
@ 軟膏の使い方
湿疹や、ジュクジュクしたり、ただれた皮膚病及び癬屑の多い皮疹には有効です。皮膚科では主に軟膏を処方します。
A クリームの使い方
 さらっとした感触で、べとつかないので、顔面の使用などには適当でしょう。夏季に使用することが
 多いです。
 Bローションの使い方
  液状ですので、頭髪部分とかには使用しやすいです。
Cテープの使い方
  局所的に強い症状ある患部に、密封状態で有効性を高めるためにつかいます。
 
同一ステロイド名でも剤型によって強さが異なるとか聞きましたが?
 
そうです。例えばパンデルは軟膏の方がクリームより1ランク上であり、ボアラ・ザルックスはクリームの方が軟膏より1ランク上です。
 
 (参考)
★軟膏、クリームが同ランクのもの
 ・デルモベート  ・ジフラール
 ・ダイヤコート  ・マイザー
 ・リンデロンDP ・アドコルチン
★軟膏がクリームより1ランク上
 ・ビスダーム   ・ネリゾナ
 ・テクスメン   ・リドメックス
★クリームが軟膏より1ランク上
 ・メサデルム   ・ザルックス
★軟膏、クリームランク差不明
 ・フルメタ    ・トプシム
 ・リンデロンV  ・フルコート
・プロパデルム  ・コルテス
・プレドニゾロン
 
 
ステロイド剤の使用については非常に慎重に扱う必要があるということを聞きますが?。
 
 乾癬は慢性に経過する病気ですので治療期間も長くなります。
 そのためにステロイド剤を長期外用することによる局所的副作用が出やすくなります。また後述しますが、強いステロイドを外用するために「慣れ現象」を生じ、皮疹を消すために、より強いステロイド剤を使用してしまう傾向にあります。
 強いステロイド剤を多量に長期塗布すると、ステロイド剤を内服するのと同じような全身的副作用を生じます。
 また急に外用を中止するとリバウンド現象といって、外用していた前よりも皮疹が悪化することがあります。ですからステロイド剤は非常に慎重に扱う必要があるのです。
 左記に副作用や外用方法について具体的に説明します。
 
ステロイド連用の副作用についてお伺いします。
 
 ステロイドの副作用には、外用薬として塗布したところにおこる局所的なものと内服薬による臓器に影響する全身的なものがありますが、まずステロイドの局所的副作用について説明します。
★細胞ないし結合織新生抑制作用にもとずく副作用
@ 皮膚萎縮(皮膚が薄くなったりしわしわになる)
A 萎縮性皮膚線条
B 乾皮症または魚鱗癬様変化
C 創傷修復遅延
D ステロイド紫斑
 (紫色のあざが出来る)
E 毛細血管拡張
F ステロイド潮紅
 (皮膚に赤みが出てくる)
G 星状偽瘢痕
 
★ホルモン作用による副作用
@ 多毛(毛深くなる)
A ステロイドざそう
  (塗ったところににきびが出来る)
★その他の副作用
@ 酒さ様皮膚炎
A 接触皮膚炎(かぶれ)
B ステロイド緑内障
 
などがあります。ステロイド外用薬は、ステロイド内服に比較して体内に吸収されにくいと考えられていますが、強いランクのステロイドを長期にわたって広範囲外用した場合の副作用は内服した場合と全く同じ左記のような全身的副作用が現れます。
★全身的副作用
@ 消化性潰瘍
A 糖尿病
B 発育遅延
C クッシング様症状
 
このような副作用があるとは、知りませんでした。私も長年ステロイド外用剤を使い続け、思い当たる症状もありますので、早速ステロイド剤の塗布を中止したいと思いますが?
 
ステロイド剤の使用を急に中止することは大変危険です。リバウンド(反騰作用)とか、「揺れ戻し現象」とか
いろいろな表現がありますが、ステロイドを急に中止するとその反動で、一気に症状が悪化することがあります。
 
 たとえは適当ではないかも知れませんが、一段ずつ昇って行ったはしごの先端から、一気に飛び降りるようなものです。ステロイド剤からの離脱が必要かどうかは医師と相談の上で、離脱が必要ならば徐々に段階を追って離脱する必要があります。
 
では、ステロイド外用剤の正しい使い方とはどのような使い方をすればいいのですか?
 
皮膚科医師の方針などもありますし、処方される薬も違いますし、何よりも患者の病態がそれぞれ違うということで一番答えに窮する質問です。
しかし、一般的に専門医がステロイド外用剤を処方するにあたり左記のような注意事項を念頭におき治療方針を示しますので、疑問点や薬剤の強さなどは患者としてしっかりと確認しておく必要があります。
 
 ★日常の塗布回数について
通常、朝、夜一日に二回の塗布を指示。
(患者は指示を守って塗る必要あり)
医師にもよりますが、皮疹が軽快すれば一日に一回の塗布を指示する場合もあります。
さらに軽快すれば、一日おきまたは中断を指示する場合があります。
 
 ★一回の塗布量について
一度に大量に塗らないこと。手洗いされた清潔な指先で、極力薄めに、患部からはみ出さないように塗ることが大切です。
 
★擦り込み方
ステロイド外用剤を塗布する時は、絶対に強く擦り込まないこと。
 
 ★ステロイドの連用期間について
顔面、頚部、股部、陰部、肛門周囲、などは経皮吸収がよいため、長期連用により局所的副作用が出やすい場所なので注意が必要です。医師により連用期間の長短の差はありますが、いずれもだらだらと長期間にわたってステロイド外用すると「慣れ現象」と呼ばれる外用による治療効果の不反応がみられます。
 ステロイド剤単独で効果が乏しい時はビタミンD3外用剤や光線治療などを併用すると治療効果が上がります。 
 
頭に塗るよう指示されていたステロイド剤をたまたま顔に塗り、それを先生に言ったところ叱られましたが?
 
 ステロイド外用剤は身体の部位によってその吸収の差が大変違います。
 頭皮は薬剤が吸収されにくい部位にあたり、顔(頬)は頭皮の4倍程度の吸収力を示します。
 そのため顔のような経皮吸収されやすい部位は、軽度の病変ではごく弱いステロイド外用剤が処方されます。また高度の病変であっても、それほど強いステロイド剤は必要ないと考えられています。頭皮部分には強いステロイド剤が処方される傾向がありますので、
薬剤を指示された部位以外に使用したり、他人のステロイド剤を流用したりするのはおやめください。
 左記に身体の部位による吸収の差
を提示します。
 
 部位別経皮吸収量
  (ヒドロコルチゾン)
 頭皮   ■■■      
 頬(顔) ■■■■■■■■■■■■■
 前頚(喉)■■■■■■
 腋窩   ■■■
 背部   ■■
 前腕(外)■
 前腕(内)■
 陰嚢   ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
 手掌   ■
 足関節部 ■
 足蹠(足裏)
 
*印が多い部位ほど吸収量が多くなりますので、ステロイド剤の強弱を使い分けることが必要です。   
 
ステロイド外用剤は年齢によっても吸収に違いがあると聞きましたが?
 
 幼児、小児ではステロイド外用剤の吸収が高いことが知られています。また老人の皮膚は真皮も表皮も薄くなっていますのでステロイド外用剤の強弱や使用期間はより慎重にする必要があります。
 
同じ強さのステロイドでも副作用に差があると聞きましたが?
 
 ステロイド外用薬の効き目は認めるところですが、これで副作用が無ければと誰しも考えます。
 そこで、ステロイド外用剤の全身的副作用の軽減を目的に開発された「アンテドラッグ」と呼ばれる製剤があります。皮膚局所にしか作用を発揮せず、しかも皮膚から吸収され血中に入ると直ちに代謝され不活性(無害)な物質に変化するという夢のような薬剤。1988年リー博士とソリマン等によって提唱されたこの考えは広く支持され開発に力が注がれました。
 現在、この考えで開発された薬剤は次のようなものがあります。
 ・リドメックス  ・プロバデルム
 ・パンデル    ・ブデソン 等
しかし右記のようなものでも本来の「アンテドラッグ」の理想からはやや遠いと言わざるを得ないのが、偽わざる実情です。副作用が少ないとされているものは、その効果は弱いものと考えます。
 
ステロイド外用剤の維持療法について教えてください。
 
維持療法では、毎日外用するのではなく、週3日塗布とか、間歇的に使用する方法もあります。
 
ステロイド外用剤の諸問題が多く語られる中、なお第一線で使用され続けられている背景はなんですか?
 
 過去には残念ながら、切れ味抜群のステロイド外用剤に代わるエース投手が存在しませんでした(乱暴な言い方ですが)。全国高校野球のように頼りになるエース投手(ステロイド外用剤)が全試合投げ抜くという形に結局なってしまっていました。
しかし、治療の選択肢が豊富になってきた現在、プロ野球のように先発投手、中継ぎ投手、リリーフ投手と多くの投手で、ペナントレースを闘うように、今や乾癬のような長期にわたる難治性疾患にはきめ細かくあらゆる治療法をローテーションで組み込み対処して行く方法が推奨されます。
 その中で、やはりステロイド外用剤は実績もある実力派の抑え投手であることは間違いありません。うまく各局面で必要最小限使って行くことで薬剤効果の「慣れ現象」を防ぎ、ローテーションの一角で重要な働きをさせることは大事なことです。
 
乾癬に対するステロイド外用療法のガイドラインとして以下のことが提唱されています。
 
@定期的観察
定期的に受診して症状、副作用のチェックを受けること。
 
A専門医の監視下での治療
薬局で薬を買って自分で外用したり、皮膚科医外の医師に薬だけ処方してもらい外用することは避けること。
 
B中程度クラスのステロイド外用薬なら月100g以下にとどめること。
 
C一年ごとに治療の見直しをすること。
 
ステロイド外用療法単独では治療効果が乏しい場合はビタミンD3と併用したり、光線療法や全身療法と組み合わせることにより、副作用を最小に、効果を最大限に引き出すことが可能です。主治医とよくご相談下さい。
いたずらにステロイド外用剤を忌避することは医師や患者自身の選択肢を狭める結果となり、結果的に患者自身のQOL(患者の日常生活の快適性維持)向上に反することになるのではないでしょうか?上手にステロイド外用剤を使いましょう。
    ***********************
本文は(アレルギーの薬がわかる本)(クスリのしくみ事典)(ステロイドを使うといわれた時)(アトピー性皮膚炎とステロイド外用療法)その他諸文献より参考、Q&Aに改変して編集したものです。   (編集委員)
 
 

 豊富温泉湯治ツアーに参加して


平成十二年九月十三日
N・Y
 
八月二十五日から2泊3日のツアーで札幌からバスで来られる参加者の皆さんとホテルで合流する為、関西空港を十一時十分に出発して稚内空港到着。午後四時三十分にはニュー温泉閣ホテルに着きました。  
そこで札幌出発の皆さま方をお迎えすることになり、少々緊張して居りましたが、梁田会長さんはじめ皆さんとは初対面にも関わらず親しくお声を掛けて戴き、安心して湯治する事が出来ました。
北海道「乾癬の会」の皆様には本当にお世話になりました。心からお礼を申しあげます。
到着後、食事が終わると時間を惜しむ様にすぐお風呂に、一休みするとまたお風呂にと、湯治が目的なので当然といえば当然ですが、最初は皆さんの精力的なペースに付いて行かれず、1日3~4回入湯するところを、せいぜい2回入るのが精一杯でした。
初日の北海道は大変暑く、入湯後はタールの油分が肌にべっとり付き汗腺を塞ぐためか、身体がほてった上に湯当たりも重なるなどして時間さえあれば眠るという状態でした。
2日目の朝は豊富町の計らいでツアー参加者の為に「ふれあいセンター」を早めに開館して戴き、一番風呂に入りました。食後はサロベツ原生花園や大規模草地を観光して気分転換し、その間には小林先生、川嶋先生による医療相談会や学習会を開いて戴き、最後の夜には両先生を交えて各自の思いを忌憚なく話し合い、時が経つのも忘れるほど楽しいひとときを過しました。
3日目の朝には、ツアーの皆さま方とお別れしました。私自身は三十一日まで湯治を続け自分なりのリズムも出来てきました。湯治経験者から情報を得ながら、日々の湯治を重ねて行くうちに一番風呂にはタール油分が多いという事も分かり以後一番風呂に入る事にしました。二〜三時間後に再び入湯した時には、一番風呂と違いタール分は少なく、数時間でこんなに違うものかと驚きました。タール分の多い少ないで皮膚に対する効果は、さほど変わらないと思うのですが、タールが多い時に入ると、ちょっと得した気分になるのは私だけでしょうか?
今回下着等もあえて白を着用し、汚れの具合を見る事にしましたが、想像していた程汚れもなく少し黄色く染まったり油の匂いが付く程度でした。
湯治経験豊かな方は、それなりの知恵と工夫がありいろいろ教えて戴きながら有意義な湯治体験ができました。
最後に肝心の乾癬への効果ですが、私の場合は鱗屑や痒みは殆どなかった為、目に見えるほど変化は得られなかったのですが、湯治から帰宅して今日まで(十三日目)毎夜風呂上りにタールを塗布し、ラップで患部を包み一夜を過しては、朝風呂で流す事を繰り返してきました。
最近では少し変化が見られるようになりました。特にお腹、背中、臀部に5ミリから1センチ位の乾癬が無数に散らばっているのですが、赤みが少し黒ずんだ感じで、同じ部位でも一つ一つの乾癬によって、黒ずんでシミになった状態のもの、殆ど変わらないものなど変化は様々です。今のところ効果の程はわかりませんが、観察を続けて行くつもりです。
気になることは皮膚が油焼けして、紫外線に当たる部位は黒くうす汚れた肌になり、これはタール治療の副作用かもしれません。私達女性にとって一番気になるところです。
私は三十五年間ステロイド軟膏を使用してきましたが、今回初めて民間療法を試すことが出来ました。今後も乾癬友の会の皆様から様々な情報を戴き自分にあった一番良い治療方法を模索していきたいと思っています。そして1日も早く完治できる日が来る事を祈るばかりです。
 
 

 わたしの素顔


今の世の医術つくせど
  治り得ぬ
 乾癬症のわれしたたかに生く
T・M(八十二歳)
 
 

 第3回定例総会アンケート報告


大阪大学医学部付属病院
8階東病棟ナースチーム
        山根洋子 集計
 
回収数全四十五枚
 男性二十七名 女性十五名
 無記名二名
 
平均年齢 四十三歳(十二〜七十八歳)
平均病歴 十四年 (半年〜三十五年)
 
都道府県別参加者数
 大阪二十名  兵庫八名
 京都三名   奈良二名
 滋賀二名   鹿児島一名
 静岡、山形、山口各一名
 
@あなたは大阪乾癬患者友の会の会員ですか?
 ・はい三十五名 ・いいえ八名 他
 
A定例総会を何でお知りになりましたか?
 ・会報二十四名 ・病院十二名
 ・インターネット十三名 知人一名
 
B現在の症状はどのタイプですか?
 (複数回答可)
・尋常性乾癬     三十七名
・乾癬性紅皮症    十三名
・膿疱性乾癬     一名
・滴状乾癬      一名
・関節症性乾癬    十一名
・掌蹠膿疱症     0名
・分かりません    0名
・現在寛解中     0名
 
Cあなたは現在病院での治療を受けていますか?
 ・受けている     三十五名
 ・受けていない    八名
 ・無記名    二名
 
D治療薬(外用剤、内服薬、その他) 
 治療方法について教えて下さい。
 ・ボンアルファ外用   十七名
 ・ステロイド外用    十六名
 ・チガソン内服      九名
 ・シクロスポリン内服   九名
 ・PUVA        四名
 ・漢方薬         四名
 ・ロキソニン内服     三名
 ・ステロイド内服     二名
 ・EXOREX      二名
 ・ドボネックス      一名
 ・シオゾール注射     一名
 ・リマチル内服      一名
 ・メソトレキセート    一名
 ・クロレラ        一名
 ・デムコ軟膏(非ステ)  一名
 
E最近気になる症状は何ですか?
 ・関節痛        十一名
 ・鱗屑          七名
 ・痒み          七名
 ・皮疹の範囲の広がり   三名
 ・皮膚が薄くなる     二名
 ・冬〜春にかけて悪化   一名
 ・腰痛、背部痛、胸痛
 ・爪の変形、皮膚の黒ずみ
 ・皮膚の赤み等
 
F乾癬について知りたいことは
 何ですか?
 ・治療法(海外を含め)  六名
 ・新薬情報        三名
 ・遺伝について(飲み薬やステロイドの子供への影響)   三名
 ・タール療法       二名
 ・原因追求研究の進捗度  二名
 ・ドボネックス治療例   二名
 ・薬とその副作用     一名
 ・EXOREXや漢方クリームなど
  の改善例、治療例など  一名
 ・関節症性乾癬は皮膚科?整形外科?どちらで受診すれば?一名
 ・民間療法について
 ・PUVA療法について(副作用や照射時間、設備のある病院について
 ・肥満との関係について
 
G会報についてのご意見や感想また特集して欲しいことを教えて下さい。
 ・新薬について      二名
・治療法         二名
 ・民間療法特集     
 ・豊富温泉体験者のその後の経過
 ・乾癬外来のある病院、設備の紹介
 ・病院の治療以外にできること
 
H会の運営についてご意見や要望がありますか?
 ・患者や医者との情報交換の場を増やして欲しい
 ・民間療法や医療の基礎知識を知りたい
 ・定例総会以外に会員どうしがふれあえる集まりをして欲しい(カラオケ、ボーリング等)
 
I講演会(関節症性乾癬の臨床)についての感想をお聞かせ下さい。
 ・大変良かった      五名
 ・勉強になった      三名
・有意義で充実していました
・次回講演も期待しています
 ・自分が関節症性乾癬であることをはっきりと自覚した
 ・難しかった
 ・時間が足りなかった
 
J懇親会についての感想をお聞かせください。
 ・非常に盛り上がった   二名
 ・ストレス発散になった
・自分と同じ悩みが聞けて意を強くした。気が楽になった  二名
・情報交換出来た
 ・自分の希望していたコーナーに参加出来てよかった
・もう少し時間が欲しかった
 ・温泉のことが聞けてよかった
 
K今までに出席した会を教えて下さい
平成十年十二月七日
発足会         八名
 平成十一年五月二十九日 
  第一回定例総会    十四名
 平成十一年九月五日
  乾癬学習懇談会IN京都十六名
 平成十一年十二月十一日
  第二回定例総会    十五名
 
 

 お知らせ


会費納入の郵便為替番号は
0920・2・155745
「大阪乾癬患者友の会」宛です
お近くの郵便局で申し込めば送ることができます。
年会費 3000円
 
 

 入会申し込み


「大阪乾癬患者友の会」は大阪のみを対象としていません。海外からの入会もあり、主旨にご賛同頂ける方なら全国・全世界何処からでもご自由に参加下さい。

大阪市西区立売堀6丁目3の8

    日生病院患者様サービス部
電話(06)6543・3581内線159
事務局 担当・小田救世代
またはホームページより
 
 

 第四回定例総会開催


日 平成十二年十一月二十五日(土)
 
受付 十一時より受付けています。
開会 十一時四十五分より開会 
十二時〜十二時三十分まで講演会 
講師 大阪大学医学部
    教授 吉川邦彦先生  
  「乾癬治療の進歩について」
一時〜一時三〇分まで 定例総会
一時三〇分〜二時十分まで
     会員による「乾癬体験談」
二時三〇分〜四時迄  懇親会
四時〜五時迄     自由懇談会 
 
場所 大阪大学医学部同窓会館
     銀杏会館
  
定例総会の内容
@ 事務局より事業報告
A 会計係より収支報告
B 新役員紹介と承認について
C 運営の現状と幹事の募集
 
   懇親会
於:銀杏会館内2階     
レストラン・ミネルバ
費用  二千五百円
*出来るだけお釣りなきようお願いします。(懇親会会計)
     交通アクセス
       阪急バス 近鉄バス
◎阪大医学部前バス停より徒歩3分
◎大阪モノレール阪大病院前駅下車
 
 定例総会参加の皆さまへ
 
◇今回は遠方から来られるかたや、懇親会後のインターネットオフ会を楽しみにしておられる方々のために、開会時間を早めに、終了時間を午後五時までと時間帯を拡幅いたしました。どうぞ皆さまのご都合に合わせて、ご交流、ご歓談下さい。
 
◇今回も懇親会では前回同様皆さまの交流のきっかけを作るため、各コーナを設営します。@尋常性乾癬コーナーA関節症性乾癬コーナーB乾癬性紅皮症コーナーCホームページオフ会コーナD豊富温泉コーナーE女性コーナーF民間薬コーナーなど尚各コーナー世話役は友の会幹事さんがあたります。
 
◇懇親会参加の方は、積極的に自分から話の輪に入って耳を傾けて下さい。
いつも独りぽつりと席に座っておられる会員さんが必ずおられるのですが、折角の機会ですから、会場を動き回って興味ある話の輪に入って下さい。
きっとあなたに必要な情報が飛び交ってると思いますよ。
 
 

 編集後記


◇佐藤守弘先生の「乾癬と日常生活」の講演はいかがでしたか?先生ご自身の家庭での会話などもご披露頂き、ああ私もこんなこと言われたこともあった。と思わず身につまされました。
佐藤先生には、プライベートなお話も快よく本誌に掲載させて頂き、本当に感謝の念にたえません。
 私達だけで、講演をお聞きしたのは本当にもったいない内容でした。
 
◇九月二十一日(木)に日生病院会議室にて友の会月例幹事会を開きました。
 幹事会は友の会の活動方針等を話し合うため、月1度世話役が集合しています。会議は午後6時より8時頃まで行なうのですが、午後5時頃より幹事さんの個人的な情報交換の場として日生病院の本館1階ロビーに集まり、お互いの肌を見せあって、治療の進捗度を確かめあったりしています。
 驚いたのは、参加したほとんどの幹事さんが、前回8月の月例幹事会の時よりも皮膚症状が改善していたことです。
 友の会発会以降、ほぼ2年近く毎月1回集まることを繰り返してきましたが、幹事さんの多くが、情報交換により乾癬に対する知識のレベルを向上させて、自分自身の皮疹のコントロールに役立たせているようです。
 インターネットでも情報の交換が頻繁に行なわれ、乾癬ホームページも大変有効に機能していると考えているのですが、やはり「百聞は一見にしかず」
 患者間でお互いの治療法を教え合い、真近で自分以外の人の皮疹の状態、改善状況、悪化状況も含めて毎月自分の眼で確認できること。これがみずからの最適ケア法を見つけ出すヒントに繋がっているのではないでしょうか。
 こういうことを考えるにつけ、年間2回程度の一般会員さんの交流ではいかにも物足りないと痛感しました。
 また、大阪より遠隔地の会員の皆様には年2回どころか、費用、時間その他の関係で、一度も定例総会に参加できない方があることを思うにつけ、何とか各地方で友の会会員が、お茶を飲みながら、自分の肌を見せあいながら話あう場があればと願います。次回定例総会ではそうしたことを含め、定例総会後の学習懇談会、懇親会(交流会)でぜひともそうした地方での小グループ設立の動きを高めたいと念願しています。  
参加予定の皆さまには是非そのことを念頭において、総会にご参加くださるようお願い申し上げます。