最終更新日 2001.10.22

大阪乾癬患者友の会 会報

−平成13年8月9号−


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乾癬の漢方治療は?
 死海で治療するには?
  陰部の乾癬について専門医の意見!

 

HP版は一部割愛している箇所もあり会報と異なるところもございます。詳しくは会報をご覧下さい。

バックナンバー
会報   8号 2001.6発行
会報   7号 2001.2発行
会報   6号 2000.10発行
会報   5号 2000.7発行
会報   4号 2000.4発行
会報   3号 1999.12発行
会報   2号 1999.7発行
会報 創刊1号 1999.5発行

も く じ

第5回定例総会のご報告
平成13年度の事業報告
漢方について
乾癬の漢方治療
死海での乾癬治療
私の乾癬とのつきあい
背中に軟膏を塗る自助具
第5回定例総会アンケート報告
三重県乾癬の会の海水浴
陰部の乾癬について
第16回「日本乾癬学会」
豊富温泉湯治ツアー
入会申込みのご案内
会報投稿記事の募集
編集後記

 


飛翔、新たなる出逢いを目指して、、、、、、、。
新しい組織が関西に、熱い期待を担って今誕生しました。

発行 大阪乾癬患者友の会
日生病院皮膚科事務室内
編集 友の会編集委員


 第5回定例総会のご報告

去る、6月9日(土)に大阪乾癬患者友の会の第五回定例総会が、大阪市西区の日生病院別館講堂で午後1時より開催されました。近畿地方は数日前から、梅雨入り宣言。しかし当日は天気も崩れることもなくさわやかな空模様でした。受付け開始の正午には遠方からの会員が早くも来場。総会には会員外の参加者も多く、総参加者数120名を数えました。昨年度の日生病院での参加者は約90名、年々増加傾向があります。総会は会長挨拶に始まり、続いて東山真里先生より、友の会事業報告と今後の活動予定についてお話がありました。

 平成13年度の事業報告

来る9月2日(日)には千葉県幕張で開催される第16回「日本乾癬学会学術大会」年次大会に並行して行なわれる「乾癬学習懇談会in幕張」に参加し、北海道「乾癬の会」や三重県乾癬の会、茨城県乾癬の会などと共に、患者会の活動を紹介し、その存在をアピールする予定です。本会会報「Psoria News」も先日第8号を皆さまのお手元にお送りしました。この会報は皆さまの会報ですので、いろいろな情報や記事をご投稿ください。郵便だけでなくメールなどでも受付けております。本年の大きな事業として北海道「乾癬の会」や他の患者会と共同企画として、患者向けの「乾癬ハンドBOOK」を刊行しました。また、懸案の本会の愛称問題ですが、「OKKの会」や「かけはし」という愛称の他,、現状の「大阪乾癬患者友の会」という名前そのままがよいという意見も多くあり、いまのところ続行してインターネットによるホームページでの投票を受付けていますので、ご意見ある方はどしどし投票してください。現在、正会員として216名が登録されていますが、会が大きくなるにつれて仕事も増え、幹事さんが不足ぎみです。意欲ある方を募集いたしております。若い世代の参加も待ち望んでいますので宜しくお願いいたします。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

今回の学習講演会は日生病院名誉院長の山本昌弘先生による「漢方について」の基調講演がありました。乾癬治療に関してはステロイドなどの外用薬に加えて漢方医薬の内服薬が結構処方されてきたことが、会員の証言であきらかですが、果たして漢方処方による治療の取り組みが有効であるのか?またステロイドやビタミンD3による外用薬やその他の治療に満足できない多くの患者が「漢方薬による乾癬治療はどうなのか?」と言わばファイナルアンサーを求める期待でもってたえずその漢方情報を求めている現状があります。今回そういった意味で、「漢方薬とは何ぞや?」という漢方についての入門編学習との位置付けで講演をお願いしました。本紙では講演の専門的な部分については若干省略して掲載することになりましたが、その漢方の思想についてのエキスはお伝え出来たのではないかと思っています。続いて、「漢方について」の基本から「では、乾癬治療にはどういった漢方薬が処方されているのか」といった最も会員が知りたい応用について、東山先生から「漢方薬による乾癬治療の研究成果」をスライドで示されながら講演をされました。漢方には我々の知らなかった可能性を秘めた世界があるようです。これからもいろんな機会を捉えて、学習講演会や会報にて漢方による乾癬治療の情報を会員の皆さまに発信したいと考えています。今後会員の皆さまから、経験された漢方による乾癬治療の情報を集める予定をしています。どうぞご協力下さい。

(編集員 森)

 

 漢方について

日生病院名誉院長 医学博士 山本昌弘先生

ただ今、ご紹介にあずかりました山本です。昨年5月までこの日生病院に籍を置いておりました。皆さんのご支援によりましてこのようにたくさんの人がお集まりになっているのを見るにつけ、本病院もますます充実して地域に貢献していることを確認し喜んでおります。今日もその思いを新たにしました。さて私は過去30年以上漢方について勉強してきました。もともとホルモンや内分泌、循環器、代謝疾患その他もろもろの疾患を勉強している間に、漢方の成分の中にステロイドホルモンにそっくりの構造をもったものがあることを知り、その作用を研究しだしたのが、私が漢方に関わりだした始まりでした。たとえば柴胡(サイコ)ですが、これは抗炎症作用があります。また西洋医学では薬の概念はない人参(ニンジン)ですが、(作用の)足りないものを補うような作用があります。漢方の研究者により、各種漢方生薬の化学構造が明らかにされ、欧米の医学誌や論文に盛んに取り上げられたことなども追い風となり、漢方薬を近代医薬としての立場を確立して行きました。今から約20年くらい前からようやく漢方製剤が医療保険の対象として認められだしました。しかし一般のドクターの間では「漢方薬が保険の対象として認められたが、本当に医薬として使いものなるのか?」などと疑問を呈するむきもあったのも確かです。しかし、私たち漢方を研究するものは、ひとつずつ着実に医学的な検証を加え、漢方薬の薬理効果を地道に実証していくことで、今日の漢方の隆盛を支えたと思っています。その経過と一端をいまからお話しして行きたいと思います。漢方のふるさと中国については20年くらい前は政治的にも経済的にも安定しない状態が続いていましたが、ここ10年くらいは経済的にも非常に向上し、世界的にも中国のプレゼンス(存在感)が増しました。そうした背景があって、伝統医学の中国医学が西洋医学と結合する、「中西医結合医学」が世界的にも認められてきたというのが、ここ10年の漢方医学の動向です。こうした、動きを加速させるきっかけは、やはり日本での漢方研究が大きく影響を与えていたことは事実と思います。よく、伝統医学と西洋医学は全然違う(正反対だ)という見方をする人がありますが、私はそうは思いません。漢方を深く研究すればするほど、その「真摯な態度」「分析的なやり方」について殆ど差はなく、違いといえば

1・使っている材料が違う
2・やり方が違う
3・使う思想が違う
4・ 発展した時期が違う

というようなことであろうと思います。おそらく2〜3000年前であれば、西洋もアラビア・中近東も中国・東洋でも同じような材料を使っていたと思われます。しかし国々によって哲学とか伝統が違うことから各国独自の医学に発展して行きました。今日、その分岐した世界の医学が再び合体合流してお互い「良いとこ取り」しながら新しい統合医学として発展しょうとしているのが、今日の漢方医学の姿です。本来なら、皆様の症状にあう漢方の話しをさせて頂ければ一番よろしいのですが、専門が専門ですので、本日は私の内科から漢方の実証的な効果についてお話しをさせて頂きます。少しでも漢方への理解のお役に立てばと思います。 

【スライド】研究初期のデータをここに示しています。柴胡とか人参はステロイドホルモンに似た構造をしているのですが、これは高脂血症に対する処方のデータです。悪玉のリポタンパクは下がる。善玉のリポタンパク(HDL)は上がる。このように高脂血症のファクターを検討すると、動脈硬化指数は下がるなどどれもが動脈硬化を阻止する方向に働いていることを示すデータです。

【スライド】薬用人参を高脂血症の患者様に2年間服用して頂いた結果(67例)、コレステロールや善玉のコレステロール(HDL)がどのように変化したかのデータです。

【スライド】大柴胡湯 高脂血症は血液が固まりやすい傾向がありますが、大柴胡湯(ダイサイコトウ)を処方しますと血液凝固因子のフィブリノーゲンが下がってきます。

このように、臨床的にいろいろ漢方薬の有効性が証明されてきましたが、これからは伝統的な出来合いの漢方生薬の組み合わせに、必ずしもそれにとらわれず、炎症を抑える生薬やかさぶたに有効な生薬があるわけですから生薬の代表的な作用を念頭においた上での、西洋医薬を補うような配合の妙を発揮した漢方薬が今後出てくるではないかと思います。大変とりとめのない話になってしまいましたがこれにて講演を終わらせて頂きます。ご静聴ありがとうございました。

 乾癬の漢方治療

日生病院 皮膚科 東山真里

(氈jはじめに

今回は山本昌弘先生に内科医の立場からみた、漢方の考え方や効能についてお話しいただきました。乾癬の治療の中で、漢方薬を主治医から処方されたり、ご自分で漢方薬局で買って内服した経験のある方も多いのではないでしょうか。漢方は乾癬に効くのだろうか?副作用はどうか?大変関心のあるところと思います。ここでは皮膚科からみて、乾癬について、漢方薬の位置付けはどうかについて述べます。残念ながら私自身は大阪大学でも日生病院でも乾癬の治療に漢方薬を処方したことがありません。そこで漢方療法を積極的に行なっている病院の先生方のデータを引用、紹介しながら話しを進めて行きます。

(2)漢方医学の基本

隋証投与
これは少し専門的になりますが、隋証投与とは、漢方ではある疾患を病名ではなく証(ショウ)という概念でとらえ、これに対応した処方により疾患を治療する体系です。

四診

漢方では独特の診察法【四診】を用いて診察します。

@望診(視覚による診察法)

・ 患者の意識状態
・ 身体の形態、色つやなどの全身状態
・ 舌質、舌苔を診る舌診法が重要

A聞診(聴覚、嗅覚による診察法)

B問診(既往歴、病歴、主訴、自覚症状等の問診)

C切診(触覚による診察法)

触診・脈診
脈の強弱、遅速、浮沈、形状を調べる

 

八網弁証

四診で得たデータによって弁証を行ないます。即ち、個々の患者さんが左記の八つのどれかに当てはまるかを判断します。

八網とは

@ 表
A 裏
B 寒
C 熱
D 虚
E 実
F 陰
G 陽

◇表裏 病変の部位・深浅
◇寒熱 病変の症候の性質
◇虚実 人体の正気の強弱と病邪の盛衰を弁別するもので、つまり人体にとって必要な物質や機能の不足が「虚」で、不必要有害なものの存在とその病理反応が「実」と考えられます。
◇陰陽 右記の全般を総括した概念です。
 表・熱・実【陽証】
 裏・寒・虚【陰証】

少し難しいですね・・・。

 

(3)乾癬は漢方医学的にとらえると

濱田稔夫先生らは、乾癬の病態を漢方医学的に捉えて検討し、慢性増殖性炎症像とみなし漢方でいうオ血状態(静脈鬱滞にもとづく局所的、全身的循環障害)に属するものと考え、これに真皮の炎症性変化、すなわち熱とかさぶたに代表される燥の状態が加わったものと解釈されています。また、虚実、陰陽では乾癬の患者さんの多くは中間証〜陽実証を呈することを桧垣修一先生らは報告しています。まとめると乾癬は漢方医学的には中間証〜陽実証を呈し、更にオ血を伴うことが多い疾患と捉えることができます。
(図1・会報9号参照

(4)どんな漢方薬が乾癬に効くのでしょうか?

以上の考えをもとに乾癬の漢方治療はオ血状態を改善する薬剤駆オ血剤の選択が基本となります。さらに関先生らは乾癬では中間証〜陽実証を呈することが多いので

◇温清飲(ウンセイイン)
◇桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)
◇桃核承気湯(トウカクジョウキトウ)

などが選択されることが多いが、虚証を呈する場合には

◇当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)

なども選択すると述べています。
同じ乾癬でも証が異なると有効な薬剤が異なるため、正しく証を診断し、個々の患者さんの証に合った処方をすることが重要です。
(図2・会報9号参照

濱田稔夫先生らは駆オ血剤として代表的な方剤である

◇桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)

を使用し、次に熱と燥に対しては清熱剤の代表である

◇黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)

に滋潤作用を有する

◇四物湯(シモツトウ)

を合わせた

◇温清飲(ウンセイイン)

を用いて、良好な結果を報告されています。

◇桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)

の構成生薬とその作用を(図3・会報9号参照)にまとめます。

その他、

◇柴苓湯(サイレイトウ)

◇滋陰降火湯(ジインコウカトウ)

も乾癬に有用との報告もあります。

 

(5)現時点での乾癬治療における漢方治療の位置付けは?

次に漢方療法がどの程度乾癬に有効かについてデータをお示しします。調べた限りでは、漢方療法単独で治療した報告は見当たらず、殆どが従来より継続中の西洋医学的治療に漢方薬を併用し、効果を検討しています。いくつかの実例を紹介します。

◎報告(氈j

大河原先生らはステロイド外用剤に抵抗性の難治性乾癬の58例にステロイド外用に

◇温清飲(ウンセイイン)

◇黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)

内服を8週間併用しました。結果は

〇著効、有効が21例(36.2%)

有効例の体質的特徴は実証に近いタイプの患者で、赤ら顔でのぼせやすい体質でした。

(図4・会報9号参照

◎報告()

濱田稔夫先生らはステロイド外用剤に抵抗性の難治性乾癬の33例に

◇温清飲(ウンセイイン)

◇桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)

の2剤を1年以上投与し、
〇著効16例、有効10例、無効3例、悪化0で副作用も見られず、優れた効果がみられ、更にこの2剤の併用が無効の症例に

◇通導散(ツウドウサン)

を追加すると有効率が改善したと報告しています。また乾癬の治療に漢方薬を併用することにより、ステロイド外用量を減らすことが可能でした。
(図5・会報9号参照

(6)まとめ

以上をまとめますと

@漢方薬単独では効果に限界があるが、西洋薬と併用することにより、その効果を高めたり西洋薬の投与量を減らす効能を有している。

A個々の漢方生薬の薬理作用の研究が進歩しているが、まだ不明な点も多く、これが明らかになれば、将来的にはより乾癬に有効な漢方治療薬を期待できるかも知れない。

B漢方薬を有効に安全に治療に生かすためには、漢方療法についての専門的知識、特に隋証投与(証に合った処方)が必要です。専門医に相談しましょう。漢方薬は副作用がないと思い込んで安易に薬局で買って飲むことは慎むべきです。証がくい違っている薬を内服すると乾癬が悪化する場合があります。

漢方薬も薬であることに変わりなく、西洋薬と同様両刃の剣であることを肝に銘じて欲しいと思います。

(7)あとがき

これらの文章は本年6月の定例学習会でお話しした内容をまとめたものですが、わかりにくい個所に説明を追加しています。

   (文責、相談医 東山真里)

 死海での乾癬治療

清水市 T・H

2001年4月26日成田空港より午前10時45分発全日空905便にて、午後1時25分北京着、エルアル航空069便に乗り換えて午後10時15分イスラエルベングリオン空港に到着、タクシーで今回滞在するLot spa Hotelに向かった。翌日、このホテルの1階にデッドモールシークリニックがあり、午前11時、Dr・Burudoに診てもらう。前もって提出した問診票を見ながら「皮膚は敏感ですか?」との問いに「そうです」と答えると敏感肌用の治療プログラムを渡され、注意事項として午前11時から午後2時まで日光浴は控えること、水分を1日4〜6リッター飲むことを指示されました。

◇死海での1日

午前

7時00分 起床
8時00分 朝食
8時30分 支度
9時00分 診察(DSMにて)
9時30分 ソラリウム(40分)
10時30分 死海入浴(泥塗含む)
11時30分昼食・散歩

午後

2時00分 ソラリウム(40分)
3時00分 死海入浴
3時30分 ソラリウム(40分)
4時30分 死海入浴(泥塗含む)
5時30分 部屋にて休息
6時30分 夕食
7時30分 コインランドリー 
      サロンにて談話
10時00分 入浴及びケア
11時00分
11時30分 就寝

【ソラリウム】

Lot spa Hotelの屋上にあり、男・女・家庭用にわかれており、入り口でシーツとタオルを取ってリクライニングベンチを確保する。昼間は30度から35度程になり頭部をタオルでおおい、サングラスをして寝そべる。あおむけ、うつぶせ、半々に太陽光を浴びる。ミネラルウォーターは入口の所にタンクを用意してある。

【死海】

水温は35度〜40度、とても温かい。が、あるところではあまり沖に行くと熱せられた泥でやけどすると言われた。半分くらいのホテルはプライベートビーチを持ち、水着に着替えて泥を持参で、そのままビーチから歩いて入浴できる。勿論Lot spa Hotelにもプライベートビーチがある。

◇各部位での毎日のケア方法

【頭】 スカルプ用クリーム(アロカド)を寝る前に全体に塗りこんでヘアーキャップを付けて寝る。シャンプーはニュートロジーナ(持参していたので良いと言われた)

【爪】死海の入浴

【体】日光浴の前にベビーオイル(アロカド)、後にクリーム、ローション、軟膏(アロカド)定期的にワセリン、皮膚柔軟剤

【顔】体と同様

【関節】死海の入浴時に常に動か す。泥を朝晩2回つけて20分。

 風呂にはバスオイルを入れる。

◇死海で利用した薬

バスオイル、アロカドローション

アロカド軟膏、アロカドクリーム、

皮膚柔軟剤、頭用アロカドシャンプ

渡されたローション、クリーム、軟膏、すべてアロカドでした。アロカドとはアロエとアボカドの合成語です。含有物で共通しているのは、アボガド、アロエベラ、死海の塩です。

◇公共浴場での治療

デッドシーモールクリニックはLot Spa Hotelともう1箇所、公共浴場の中にあり、ソラリウム、プライベートビーチのないホテルに宿泊の場合に利用されています。
利用料1ヶ月100ドル。ショップ、レストランなども中にあります。
長期宿泊すると費用もかさみますので、車で30分程乗合タクシーで片道600円〜800円のところにアラドという町があり、人口3万人程ですが、そこのホテルに泊まって公共浴場を利用する人も多いと聞いております。

◇雑感

10日間居て感じることは、居るだけで心地よい気持ちになる。とても暑いけれど、なかなか日に焼けないし皮はむけない。死海の水はとてもにがい。(しょっぱいという感覚ではない)身体にキズがあるととても痛い。声が出るのを抑えきれないほどだ。死海は本当に新聞を読みながら、仰向けに浮かんでいられる。でも疲れる。立ち泳ぎが一番楽だ。患部はだんだんとピンク色になりこのまま4週間ほど居られたらどんなにか良くなるだろうと思いました。残念なことは、行く前にワセリンで患部をやわらかくしておいてくださいとの連絡を受けていたのに何もしなかったことです。やはり硬い個所は治りにくかった。

◇死海に治療に来ている人達いわく

なかよくなったドイツ人の話ですが、ドイツでは代替治療が進んでいて、1日1200円負担すれば、飛行機代、ホテル代、治療費がすべて保険から出る仕組みになっているそうです。通っている医者から4週間〜6週間の指示を受けて自分の行きやすい時期を選んで来るそうです。死海における治療はスローであるが、すべて自然の素材を利用したものであり、再発もスローであるとのこと、半年後に徐々に再発する人もいれば、5年・10年たっても再発しない人がいる。

皆一様に「神のみぞ知る」

といっていました。

食事については肉類とワインは控えるようにと。

◇今回の死海行き

インターネットなどにより前もって分かっていたことですが、10日間では短すぎました。一番の目的は実際どのような治療及び薬が使用されているか知りたかったからです。これは今後の治療に役立てようと考えています。現在、ステロイドは使用していません。PUVAのみで治療していましたが、あまり効果を得ていません。これからは泥を患部に塗ってPUVAを受け、アロカドのクリームを塗るパターンで3ヶ月ほど頑張ろうかと思っています。

◇死海の自然環境

【塩の海】

死海は海面下400mに位置し、南北80km、東西17kmの大きさです。死海は2つの部分からなり、北は水深350m、南部は浅く数mしかありません。死海は東西にそびえる山地の間の深いくぼ地で、その山は海抜1200mに達します。

気温は年間を通じて高く、1月から4月の間の平均気温は22〜29度、9月〜10月は32〜39度、6月〜7月は38〜39度になります。また冬でもまず10度以下になることはなく、年間通じて330日は快晴の日になります。年間の平均気圧は1050〜1066ミリバールで、空気中の酸素は平地よりも約10%高いレベルです。

最近の研究によると死海の塩分は、地中海での約3%に比べ、約33%に達します。このユニークないろいろな自然環境との絡み合いで生まれる特質は、地球上死海にしか存在しません。また年間約20億立方メートルになる死海の水の蒸発のため、死海上にいつも厚いもやがかかっています。このもやと海面下400m高度差によるより高い気圧の大気は、日焼けを起こす紫外線UVBをより多く取り除き、紫外線UVAとUVBのより理想的な相関関係を作り出します。そのため日光浴の時間を増やすことができるのです。死海と太陽がいろいろな皮膚疾患や合併症、特に乾癬の治療のベースです。またアトピー性皮膚炎、白斑、魚鱗癬、座瘡の疾患もよく反応します。

   ********************

本稿の「死海での乾癬治療」は本会会員T・H氏の学習会体験スピーチのためにわざわざ準備いただいた8ページにわたるパンフレットの内容を転載させて頂きました。10日間の死海への旅費・滞在費はもっとも気になるところです。氏によりますと約55万円。うーんと腕組みした会員諸氏も多いことでしょう。しかし夢は広がりました。貴重な体験をご披露いただきました。ありがとうございます。

編集員

 私の乾癬とのつきあい

私の乾癬とのつきあい 堺市 M・T

私は1918年生まれで、戦争という大きなうねりの中でも不自由なく、終戦後も幸せに暮らしておりました。
 ところが、平成2年5月にふくらはぎに【あせも】のようなものができ、掻いてはいけないと思いつつも知らずしらずのうちに掻いていました。
 気が付くと梅干大になっていました。びっくりして堺の労災病院へ行くと「乾癬」という難病といわれました。難病といわれても病院の治療さえ受けておれば治るものと簡単に考えておりました。
 主治医の先生はいろいろな薬を処方してくださいました。
 早く良くなりたい一心で薬の使用結果を逐一丁寧に記録して、診察の時に報告いたしておりましたが、あまり効果がなく、良くなるどころか増えるばかりでしたので入院して光線治療を受けて見ては?と言われ、入院することになった時に主治医の先生が急に中之島の元阪大病院に転勤されることになりました。
 次の先生に引き継いでくださるとの事でしたが、お断りして先生について旧阪大病院へ通院することにいたしました。
 南海高野線、地下鉄と乗り継ぎ、地下鉄の長い階段の上がり下りのしんどさ・・・。旧阪大病院まで通いました。堂島川のよどんだ流れをじっと見つめていた私は自殺者と間違われたこともありました。
 そのとき既に阪大病院では通院で光線治療をして頂いておりました。
当時の婦長さんは私の背中に治療に必要な薬を丁寧に塗ってくださりながら、
「Tさん、この頃ほんとうにきれいになりましたよ」
と慰め励ましてくださいました。そんな時は帰り道はうれしく明るい気持ちで、あの橋の上を大きな声で、
「この道〜は、いつかきたみ〜ち、アアそうだよオオ・・・・」
歌いながら、渡ったあの橋あの川
思い出多くございます。
 そのうちまた主治医の先生がアメリカへ留学されることになりました。
「留守中、東山せんせいに頼んでおくわ」と・・・。
 それよりずっと現在まで、東山先生のお世話になっております。
 阪大病院は千里に移転いたしました。地下鉄の千里中央駅まで電車の中でも50分以上乗っています。
 乗客のひとりひとりの生活や人生を想像したり、私の遠い学生時代と現在の高校生の想像もつかない違いを詠んだりしました。
 私は短歌の会員で時おり投稿などしておりますが、明るい作品が出来なかったのです。千里中央駅からのバスの中で時代の先端を行くと言われた日本最初の千里団地をながめ、四季の移り変わりなども歌にしていましたが、いっこうに明るい作品ができなかったのです。
 そのころ、東山先生より
「火曜日の午後、4人の先生で乾癬外来を専門に診療されているから、その方へ来られたらどうですか?」
とのお誘いを受けました。
 不安な気持ちを抱きながらも受けて見ることにしました。そこでは私より症状の重い人たちも多く、みんな同じ病気でした。今までのように乾癬を隠す必要もなく、存分に症状や治療について話合えるようになりました。友人も沢山でき、気持ちものびのびとなり段々歌も明るくなってまいりました。
 現在、どんな生活をしているのか一番お話ししたかったのですが、同じ悩みの仲間の皆さんを前にして、思わず込み上げるものがあり、感極まってことばが続かなくなってしまいました。
 今は、米作り、四季おりおりの野菜、そして花作りに精を出し、その出来具合に一喜一憂しています。
 しかし心のどこかに乾癬は忘れておりません。6月現在で私は83歳と半分過ぎました。あと何年生きられるか分かりませんが、残りの人生に【私の歴史をきざんで役に立つ人生を】と課題にしております。
 今日のために詠みました作品を披露してつたない私の話を終わらせて頂きます。ありがとうございました。 
難病の長きトンネル

何時ぬける

ケセラケセラと天佑をまつ

 背中に軟膏を塗る自助具

 

大阪大学医学部付属病院 8階東病棟 ナースチーム 発表者 曽奈千里

よく患者さんとの会話の中で「入院中はいいけれど、退院後はどうやって背中の軟膏が塗れるやろう?」と言う声や患者会のインターネットにおいても背中の軟膏が塗れずに困っているという声が聞かれており、自宅でのスキンケアの継続が出来ていないのではないかと感じていました。そこで、ちょっとした自助具を用いることで、独りでも背中の軟膏が塗れないだろうかと思い、先日院内で看護研究をする機会が与えられたのでので

【背部軟膏塗布の自助具の考案】

というテーマで自助具の効果を検討しましたので、是非皆さんに聞いていただきたいと思います。
まず、自助具については、川村義肢で販売されているロングヘアーブラシ(2500円)を用いました。これはもともと手の上げにくい患者さんのブラッシング用ですが、そのブラシの先端に両面テープを貼り、スポンジを取り付けてサランラップで覆いました。このロングヘアーブラシを用いたのは、柄の部分がドライやーの熱で角度の調整が出来るからです。

そして、この自助具を用いて塗布テストを行ないました。

医療者計9名に実験対象になってもらい、背中にA4サイズ1ミリ方眼紙を貼り、1回目は手で軟膏を塗ってもらい、2回目は自助具を使用して軟膏を塗ってもらいました。

何%塗れているかを判定し結果を出しました。

テスト用軟膏は塗れたかそうでないかを明確にするため、アズノールに紫水を混ぜました。結果は自助具を使用した場合、対象者9人中8人が100%塗れていて、明らかに自助具の効果が見られました。対象者にはアンケートに協力してもらいましたが、これらの結果からそれぞれの体格や感じ方により塗り難さや角度の付け方に個人差があり、またステロイドだと濃度の問題や幹部以外にも塗られてしまうという問題点もあるため、自助具の先端部分を患部の大きさに合わせたサイズに応じて変更して行くなど、個々に合った自助具を工夫していく必要を感じました。

また、今回の研究は医療者で特に関節の動きに問題ない人を対象とした結果であったので、今後は実際に臨床の中でも、自助具を取り入れて行き患者さんの意見を聞いて行きたいと思います。

最後に、患者会での発表の機会を与えて頂きありがとうございました。

 

 第5回定例総会アンケート報告

編集部  K 
回収数 全64枚
 男性29名 女性29名
 無記名 6名
 
平均年齢 40歳
    (16歳〜83歳)
 
@乾癬について知りたい事がありますか。
 
 ・乾癬はいったい治るのかという疑問。
 ・原因について。
 ・病気の原因についてあいまいであるので、そこらへんを…遺伝についての関連性。
 ・医療の最新情報について。
 ・根本的治療法について。
 ・最新の治療法について。 3名
 ・死海へ行って治療する方法について。
 ・色々な治療について。
 ・効果のある治療法について。
 ・治療法・期間・食事などについて
 ・薬の副作用について 近い将来に新薬の希望があるのか?
 ・薬の副作用を聞いて(チガソン、ダイヤコート)根治しないのに使用することにためらいがある。
 ・新薬について。
 ・薬でいつまで維持できるのか?
 ・「遺伝」に関してだったが、今回の会報が参考になっている。
 ・関節炎はよくなるのか?
 ・乾癬性関節炎のしくみ及び治療法について。  2名
 ・股関節の炎症を抑えたい。痛みがひどく、痛み止め、炎症止めを服用している。
 ・完治した場合、その後再発するのか?再発を防ぐ方法、気をつけるものは何か?
 ・完治・寛解の実体験談について。
 ・サイトカインを抑える方法について。
 ・シャンプーや石鹸は何でもいいのか?
 ・情報が継続的にほしい。
 ・どんなことでも。
 ・たくさんある。
 ・特になし。
 
A会報についてご意見、ご感想がありましたらお書き下さい。
 
 ・いいと思う。
 ・今とてもよいと思う。
 ・いつもご苦労様です。  2名
 ・いつも読ませて頂いている。
 ・内容が濃く、読みやすい。
 ・内容が濃く、いいと思う。
 ・大変参考になる。
 ・大変参考に出来る。色々な情報を得ることが出来るので安心できる。
 ・参考になり大変支えになっている
 ・少しでも情報が得られてよい。 
 ・どんな状況かわかるので助かる。
 ・ヒトゲノムのお話はとても参考になりました。これからも会報が来るのが待ち遠しいです。
 ・インターネットをしている人は会報をメールで送ったらいいと思います。
 ・死海の泥などを安く買える方法などがあったら載せて欲しい。
 ・今回は付添いで来ました。乾癬患者でない人達(家族など)のための情報なども会報に載せてもらえると参考になる。
 ・特になし。
 
B会の運営、年会費などに何かご意見がありますか。
 
 ・お世話頂き有り難く感謝している 3名
 ・よいと思う。
 ・今のままでいいと思う。
 ・今回入会したが、同病の方との情 報が得られ幸せだ。
 ・会費はこの程度は必要と思う。
 ・ハンドブックを頂いてとても喜んでいます。こんなのが欲しかった。
 ・乾癬ハンドブック、先日、会報が2度送られて来た(4日と7日に)
 ・会名は乾癬以外の名にしてほしい
 ・時間割に余裕をもって欲しい。
 ・運営お疲れ様です。汚い字ですみません
 ・まだ、判らない。 2名
 ・特になし。 9名
 
C今回の講演(漢方)についての感は?
 
 ・とても良かった。これからの治療に加えたい。
 ・良かった。 2名
 ・ためになった。
 ・大変参考になった。 3名
 ・勉強になった。
 ・興味深かった。今後の参考にしたいと思う。
 ・難しいが、興味を持って聞けた。
 ・非常に良かった。漢方治療されている人が多くいらっしゃったので、  
治療期間や具体的乾癬の症状を知りたい。
 ・漢方も色々な種類があることを知った。
 ・乾癬に対してフォローをしていただいた。その内容が良かった。
 ・漢方治療の可能性が一番大切と思い始めた。特に自分の未来の能力を高めることが出来るのに効果があると感じた。
 ・難しい漢方名が出て、よく分からないが、飲んでおられる人もいるのだなと思った。
 ・もっと知りたい。
 ・もっと詳しく知りたい。
 ・これからも漢方については継続して情報などを教えて欲しい。
 ・今、乾癬にはどんな漢方がいいのか名前が詳しく知りたかった。
 ・西洋医学、漢方、併用してよいものなのか。
 ・現状はネオーラル、ドボネックスを使用しているが、漢方に変更したい場合は医者の指示があるのだろうか。
 ・学術的な話となったが、自分のためにと考えていたので、やっぱり時間・金がかかると感じた。
 ・内容を乾癬に絞って話をしてほしかった。言葉がはっきりと聞き取りにくかった。
 ・もう少し乾癬との関係があれば。
 ・素人判断を避けることだなと思った。ただ乾癬との関連性をあまり見出せなかった。
 ・乾癬の具体的な講演が聞きたかった。
 ・乾癬の会の議題であるから、皮膚に関する事例が欲しかった。
 ・もう少し乾癬にどう有効なのか詳しく話して欲しかった。
 ・皮膚に関することがもう少し詳しかったら良かった。
 ・漢方薬を使っていないので具体的には理解できなかった。
 ・もう少し具体的かと思っていた。
 ・専門的すぎた。
 ・分かりづらかった。漢方を処方してくれる医者が近くにいないので、試すことが難しい。
 ・分かりにくい言葉が出てきたので少し分かりにくかった。
 ・分かりづらい、資料がなかった。
  
D会員の体験発表についての感想は?
 
 ・良かった。 6名
 ・良かった。皆さん努力しておられると思った。
 ・良かった。今後多くした方がよい
 ・素晴らしい心温まる話だった。
 ・素晴らしかった。
 ・素晴らしい発表だった。それぞれの人の個性を感じた。
 ・大変良かった。これからも色々として頂きたい。
 ・心温まる。すごく良かった。
 ・分かりやすくて有意義だった。
 ・参加して良かったと思えた。
 ・大変参考になった。 6名
 ・自分と同じ気持ちで過ごして来られたなと思った。
 ・同じ病気で悩んでいる方のお話はとても心に響く。
 ・積極的にされていると思った。
 ・死海の話は参考になった。 6名
 ・死海での治療はよく聞くが、実際に参加した人の話が聞けたことは大変良かった。
 ・死海の話は大変興味深い。あとの話も大変楽しく聞かせて頂いた。
 ・死海に行ってみたくなった。
 ・死海について大変参考になった。是非行ってみたいと思う。
 ・死海には行ってみたかったので、参考になった。
 ・死海の治療法についてかなり勉強になった。
 ・死海の話が興味深かった。
 ・死海の体験談は面白かった。
 ・死海の話は検討してみたい。
 ・死海に行けたらなあと思った。Tさんのお話は面白かった。
 ・死海、非常に興味がある。Tさんのお話はよく分かった。
 ・死海の治療についてもっと聞きたい。HPでもアップして欲しい。
 ・とても良かった。死海の体験談は参考になった。
 ・Tさんが頑張っておられた。
 ・Tさん頑張って下さい。私も頑張ります。
 ・Tさんの話が、少々滅入っている私には良かった。
 ・制限時間を守るようタイマーのセットも考えては?研究発表は素晴らしかった。
 ・実案特許などガンバッテ下さい。
 
Dその他提言があれば何でもお書き下さい。
 
 ・乾癬のネーミングをぜひ変更できれば嬉しいと思います。
 ・専門に診てもらう病院が分からない。大学病院に行ってもあまりちゃんと説明してもらえない。
 ・日常生活の工夫について。
 ・本日初めての参加です。また次回にでも。

 

 三重県乾癬の会の海水浴

 

大阪市 Y・M

さる7月29日(日)三重県乾癬の会より恒例の海水浴に参加しないかとのお誘いがあり、思い切って行ってまいりました。当日、早朝5時30分に瓜破(ウリワリ)自宅近くまでみきタロウさんがお友達と車で迎えにきてくれました。西名阪道路の早朝ドライブは快適で、午前7時前には伊賀上野インターに到着。三重県乾癬の会が準備されたマイクロバスに同乗させて頂きました。途中、三重県の方々と合流しながら目的地の三重県南勢町ニワ海水浴場へと向かいました。車窓から見る伊勢の海は青々として美しく、太陽にかがやいてきらきらと光っていました。砂浜には早くも先客5〜6組がテント張りを始めていました。私たちも早速ブルーシートで屋根囲い、バーべキューの準備のお手伝いをしました。三重県乾癬の会相談役の谷口芳記先生は先頭に立ってせっせと焼肉奉行をつとめて頂き、大阪の私たちは恐縮すると共にその気さくなお姿に感激しました。バーベキューを囲んで、三重の皆さんや谷口先生といろいろなお話ができ本当にリラックスしたひとときを過ごしました。おなかもいっぱいになり思い思いに砂浜に寝転んで少し休みました。休んだあと、再び海に入りゆっくりと腰まで浸かって、まわりの子供さん達の水遊びする様子を時の立つのも忘れてのんびりと座っていました・・・。気が付くと水かさが増えていてびっくりしました。何と満潮のせいだったのです。楽しい時間も過ぎ、そろそろ帰り支度を始められましたので、私も着替えをすませ、後片付けをして午後3時頃海岸を後にしました。再び車に乗り、伊勢名物赤福本舗の店に立ち寄り赤福氷を頂きました。海水浴帰りの毎年の恒例行事?らしいです。甘くて冷たくて本当に美味しかったです。帰りも、伊賀上野インターまで送っていただき、また来年もお会いしましようと皆さんの暖かいお言葉をいただきお別れしました。伊賀上野インターで再び車を乗り換え一路大阪へと向かいました。途中西名阪道路のサービスエリアで夕食をすませ、瓜破のバス停まで送って頂きました。夜9時頃自宅に着き、お風呂に入ってすぐ床につきました。翌朝、めざめて足を見るとこんがりと色よく日焼けしておりました。1日くらい海に浸かったところでそんなには良くならないと思いつつ、また機会があれば再び行ってみたい思いに駆られています。伊勢までご一緒したみきタロウさん、そのお友達、三重県乾癬の会の皆さま、谷口先生大変お世話になりました。楽しかったです。

 陰部の乾癬について

日生病院 皮膚科 東山真里

第五回定例学習会で女性会員の方から、外陰部の乾癬の症状について質問が寄せられました。主治医にも相談しにくく独り悩んでいる方もおられるかもしれません。Q&A形式でまとめましたので参考にして下さい。

 

Q・外陰部にも乾癬の皮疹はできますか?

A・乾癬の赤いかさかさした皮疹が外陰部(女性では大陰唇、男性では陰茎亀頭部や陰毛の生えているところにできることがあります。その他乾癬は肘、膝などおもに外側(伸側)にできやすいのですが、反対に内側(屈側)ばかりにできる病型もあります。わきの下、乳房の下、内股、肛門周囲などにもできます。

Q・どのくらいの頻度で陰部に症状が出ますか?

A・乾癬学会の調査では、初発時に陰部に皮疹ができた患者さんは全体の1.5%、初診時には2.5%の患者さんにこのような症状がみられます。

Q・粘膜にも症状が出ますか?

A・乾癬の粘膜疹は舌などには出ますが、外陰部の粘膜や内性器には出ません。

Q・かゆみがありますか?

A・乾癬の皮疹はかゆい場合とかゆくない場合があります。同じ患者さんでも症状が悪くなるとかゆみが出てくることがあります。

Q・女性の外陰部の乾癬は皮膚科か産婦人科どちらを受診すればよいのでしょうか?

A・皮膚科の方が適切です。外陰部の皮膚症状はおもに皮膚科で診察しています。例外はあるかもしれませんが、特に乾癬は婦人科ではあまり診られていないと思います。

Q・外陰部の乾癬の治療は?

A・ステロイド剤やビタミンD3などの外用療法がおもな治療です。ステロイド剤では、弱いランクの薬剤を選択します。外陰部の皮膚は薬の吸収が良いので強いランクの薬剤は必要ありませんし、長期外用すると皮膚が薄くなるなどの副作用を生じます。詳しくは機関紙Psoria News第6号「ステロイドを考察する」をご参照ください。ビタミンD3も有効です。外陰部ではドボネックス軟膏は刺激が生じる場合がありますので、まずはボンアルファ軟膏を選択します。

 

Q・外陰部にできて乾癬とまぎらわしい病気を教えてください。

A・これは大切なことですね。できているものが乾癬かどうかは診察しないとわかりません。女性の患者さんで男性医師だと外陰部の診察はいやだなと思う方は遠慮なさらずに診察の前に女医を希望するとお申し出ください。可能な限り配慮されると思います。

外陰部の乾癬と区別が必要なものは

@ 体部白癬

A 接触皮膚炎(慢性湿疹)

B ボーエン病・ベーチェット病

などです。簡単に説明します。

@ 体部白癬

これは俗名「たむし」です。白癬菌という水虫の原因となる真菌が股や陰部に感染します。かさかさをピンセットでとって顕微鏡で調べると菌糸がみつかります。抗真菌薬を外用すると治ります。体部白癬なのに乾癬と間違ってステロイド剤を塗るとすごく広がります。
注意してください。自己判断は禁物です。

A 接触皮膚炎・慢性湿疹

下着や、女性では生理ナプキン、香水、外用剤などでかぶれて赤く、かゆいものができます。また夜間に掻きむしるため慢性化している場合、乾癬の皮疹と間違うことがあります。かぶれの原因物質をつきとめることが大切です。

Bボーエン病・ベーチェット病

これらは高齢者の外陰部にできる皮膚悪性腫瘍のひとつで、赤いかさかさの場合乾癬と紛らわしいです。皮膚の組織を少し切除して病理組織診断できます。これらは可及的すみやかに外科的治療が必要です。

以上外陰部には乾癬以外の注意すべき病気が発症することがあります。自己判断で外用剤を塗るのは禁物です。かえって症状を悪化させる場合があります。
診察のとき、外陰部に何か症状があれば恥ずかしがったり、遠慮したりせずに主治医の診察を受けて下さい。

 (文責) 相談医師 東山真里
日生病院皮膚科部長 皮膚科専門医

  第16回「日本乾癬学会」

年次大会開催のお知らせ。
 日時:2001年9月1日(土)
         9月2日(日)
会場:ホテルニューオオタニ幕張
注:学会員のみの参加となっております。一般の参加は出来ませんのでご了承下さい。
乾癬学習懇談会in幕張
 
本年も「日本乾癬学会」終了後、乾癬学習懇談会を開催します。関東、東北方面の会員の皆様を中心にふるってご参加下さい。各道府県患者会の代表者が参集予定です。
 
日:2001年9月2日(日)
  時:午後1時〜3時30分頃迄 
 
ワールドビジネスガーデン
     マリブイースト・13階  
      第5会議室
千葉市美浜区中瀬2の6
 電話043(297)3105番
 
講演:みんなで治そう〜
      乾癬の原因と治療
講師:江藤隆史先生
   東京逓信病院 皮膚科部長

  

 豊富温泉湯治ツアー

 

 北海道「乾癬の会」では、毎年豊富温泉湯治ツアーを行なっておられます。
昨年は大阪から4名参加しました。
昨年に引き続き「乾癬の会」のご好意で、湯治ツアーに当会員を合流させて頂けることになりました。
 左記に日程表を提示しますので、参加可能な方は参加コースに合わせて、お申込み下さい。(詳細は別紙参照)
 
  記
日程:10月6日(土)7日(日)
   8日(祭日)
出発:6日(土)午前11時45分
出発:札幌発着、往復バス
帰札:8日(日)午後4時頃 
集合場所時間など:別紙参照下さい。
 
  宿泊と費用(右記場所起点)
(A)バス利用全日程参加者
         2万3千円
(B)現地合流者(2泊3日)
         1万7千円
(C)(D)コース 省略
 
  本ツアーの魅力
@ 今までも同行して下さった、小林皮膚科クリニック院長の小林先生もご一緒の予定。 
A 広大なサロベツ原野と砂丘、利尻富士が一望できる自然との触れ合いを盛り込んだ豪華な湯治ツアーです。
 
   申込み方法 
北海道「乾癬の会」会長
   締切日
平成13年9月21日まで
 
 
申込み時の注意
@ 大阪乾癬患者友の会では会員が各地に渡るため、友の会として一括申し込みは取り扱い致しません。各個人で直接お申し込み下さい。
A ツアーの内容についての問い合わせは夜八時以降会長様に直接電話して下さい。
B 参加申込み金は不要です。現地にてお支払い下さい。
C 詳細は別紙申込書をお読みください。

 会報投稿記事の募集

  

会報への投稿をお待ちしています。郵便は日生病院内大阪乾癬患者友の会事務局「会報編集係」まで。
メーリングリストでも受け付けています。質問ご要望何でも結構です。

宜しくお願いします。 会報編集係

 入会申込みのご案内

入会申込み先
大阪市西区立売堀6丁目3の8
   日生病院 患者様サービス部
 揩O6(6543)3581
      内線159
    事務局 担当・小田救世代
郵便振替口座番号は
0920・2・155745
「大阪乾癬患者友の会」宛です
お近くの郵便局で申し込めば送ることができます。
       年会費 3000円

 編集後記

    

今回号は、「漢方」「死海」「陰部の乾癬」、バラエテイの富んだ内容となりました。しかし会員であれば深く知りたい内容ばかりですね。

会報をより充実させるためには皆さんのご意見は欠かせません。定例総会のアンケートは会を正しく導くための羅針盤と考えています。総会のたびご面倒ですが、是非積極的にご記入下さい。

編集員